Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第21話 付き人デビュー
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数日後。すっかり元気になった私は、メリッサさんに連れられてヨスガ市内を歩いていた。
「セイラ、あそこがコンテスト会場デス!近いうち私も出場しマスから、見て下サイね!」
「はい!是非!」
コンテストかぁ…。懐かしいな。ダイゴとよくミクリのコンテストを見ていたっけ…。ミクリも元気かな…。
そう思っていると、ベティが帽子をつついてきた。
「ねぇセイラ、あの建物は何?」
「あぁ、教会らしいよ。さすがヨスガだね、外国の文化もあるんだ」
ちなみに今の私は黒縁メガネに帽子で変装している。これもメリッサさんから借りたものだ。ホントにメリッサさんには頭が上がらない。泊まる場所のない私を、家の手伝いをするという条件で置いてくれたのだ。そのおかげで今、どういうルートを使ってミオまで行くか考えながら過ごせる。
「そういえばセイラ、アナタはポフィン作ったことありマスか?」
「ポフィン…ですか。ありません、ポロックならありますけど」
昔はよくダイゴのポケモンたちにあげた記憶がある。メタグロスは緑のポロックが好きだったっけ。
「じゃ、作りに行きまショウ!ポフィンもおいしいデスよ♪」
メリッサさんの言葉にビィが反応した。
「おいしいの!?やった!!」
「ハイ!ビィもコンディションあがりマスよ♪」
よく考えたらメリッサさんとビィの会話は成立している。おそるおそる聞いてみたら、やはりゴーストタイプ使いだけあって、修行していくうちに会話する力を会得したらしい。ビィがニコニコしながら言った。
「セイラ、ジュノーにポフィン作ってあげればきっと喜ぶよ!」
「…!そうだね、いろんな味作ってみようか!」
私が目覚めてからというもの、ジュノーは日中はひとりで草むらに入ってバトルし、夜遅くなってから帰ってくるという生活が続いていた。きっとまだナギサが恋しいとか、私の事がキライって気持ちがあるんだろう。それでもジュノーは私について行くと言って聞かない。だったら少しでも仲良くなりたいから、気合いを入れて作ろう。
メリッサさんに連れられてお料理ハウスに入ると、色んな人たちが料理をしていた。ポフィンの美味しそうな匂いに、抱っこしているビィのお腹がグルグル鳴っている。
そして、メリッサさんはある女の子たちのグループの所に向かった。その子たちの中に見慣れた桃色の髪とルカリオを見たとき、私の心臓は驚きで止まりそうになった。
「……!!」
なんと、そこにスモモちゃんがいたのだ。
「ハイ♪連れてきマシたよ!アタシの付き人デース!」
メリッサさんのその言葉に反応した女の子たちは私の方を見る。そして、スモモちゃんは目を見開いた。
「…!まさか、セイラさん!?」
「…うん。久しぶり、スモモちゃん…」
私たちは互いに、ただ呆然としたまま見つめ合っていた。