Get your life!(ダイゴ長編夢)

□第22話 隻眼のキルリア
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その日の夜。

「ふわぁあ…。疲れたね」

ばふっ、とベッドに腰掛けた私。スモモちゃん達と別れてしばらくたった。まだみんなはヨスガに滞在する予定だそうだ。ベッドに転がって伸びをしていると、ボールからビィとベティが飛び出してきた。

「セイラ、ホントにコンテストに出るの?」

「コンテストってボクよく知らなぁい」

「ん…、出たいな。メリッサさんに聞いた話だと、コンテストってのは演技とバトルの2つで評価されるんだって。ジュノーはきっと出ないから、ビィとベティに出てほしいの」

そして、絶対にミクリと話すんだ。優勝者にはミクリが直接カップを手渡すらしい。だったらその時に、それとなく私だと気づかせれば…!

「うん。分かった。ボク出るよ、セイラ。大切な事なんでしょ?」

「アタシもよ、セイラ!任せて!」

「ありがとう、二人とも。ビィの言うとおり、これは大切な事なの。コンテストで優勝すれば、私はミクリと話せるかもしれない。ミクリは私の昔からの友達なの、ダイゴと共通の」

「「そうなの!?」」

それを聞くとふたりは張り切りだした。なかば強引に決めてしまったので悪い気がしていたけど、ふたりは一緒に頑張ってくれるなら頼もしい。コンテストの練習は明日からだ。ビィもベティも、それぞれ自分の分のポフィンは食べ終えた。後は寝るだけなんだけど、ジュノーがまだ帰ってきていない。

「ジュノー遅いね…」

まだ手を付けられていないたくさんのポフィン。一生懸命作っただけに、少し寂しさがこみ上げてくる。

「まだどっかでバトルしてんでしょ?気にすること無いわよ」

「でもいつもならもう帰ってきてるよねぇ」

「………。」

不安だ。確かに、いつもならすでに帰ってきて、ポケモンフーズを食べて寝てしまっているのに。その間何も喋らないし、朝は誰より早く起きて外に行ってしまうけれど、ジュノーは時間は守るし、結局私から逃げたことはない。まさか、何かあったの?

「…仕方ないわね。あんなバカ放っておけばいいのに。いいわセイラ、アタシ見てくるから」

「いいの、ベティ?」

「良くなかったら言わないわよ。それに夜はいつも出歩いてるし」

そう。特性が不眠のベティは夜の間は出歩いている。たまにボールにいることもあるけど、最近はメリッサさんのジュペッタと遊んでいるようだ。私はベティに頼むと、ベッドに腰掛けたまま窓から外を見ていた。ビィはと言うと、今日はしゃぎすぎて疲れたせいか、もう眠ってしまっていた。
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