Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第23話 動き出した歯車
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トバリシティ・ギンガ団アジト。
シロナとその手持ち達によって、一度は壊滅状態になったビルの中は、ほぼ復旧していた。今は、司令室にアカギ、そして幹部三人にプルート、下っ端数名がモニターを覗き込んでいた。
「…ふふ、ノモセシティで採取した鉱石から出る特殊光波は、随分と明確にディアルガ、パルキアを捕捉するのぅ…これも全てワシのおかげじゃな、この光波は捕捉だけではなく弱らせてもいる」
「黙りなさいプルート!これを考え出したのはアカギ様よ!」
にやりと笑うプルートに、すかさずマーズが声を荒げる。サターンもジュピターも、同じ様に眉根を寄せた。
「マーズ」
アカギが片手を軽く上げてマーズをたしなめた。
「しかしっ…」
「構わん」
アカギは再びモニターに目を落とした。それに従うように、全員が沈黙する。
「何にせよ、もはや完全にこの二体の位置は把握した。後は特殊光波によって衰弱させた所を『赤い鎖』で引っ張り出すだけだ…。」
その時だ。司令室に一人下っ端が入って来た。
「報告します!古代の文献によると、ディアルガ、パルキアがそれぞれ己の力を制御するために持っていたという秘宝の存在が確認されました!」
「何!?」
その言葉に全員が目を見開いた。まだ足りないものがあったのだ。
「それで…?それはどこにある」
サターンが下っ端に問いかける。下っ端は少々言いにくそうな様子で口を開いた。
「その…、我々の、パトロンの家に…二つとも…」
「!!」
驚愕で目を見開くサターン。パトロン、つまり、そこに繋がるのはセイラ。
サターンとは対照的に、プルートはゲラゲラと笑い出した。
「はっはは!こりゃ好都合!家出娘の捜索なんぞ馬鹿げたことをやらせおって、これ位揃えて貰わねば割に合わぬというものよ!」
部屋にはプルートの笑い声が響く。アカギ以外の全員が不快そうな顔をした。そんな中でアカギが話し出す。
「どちらにしても、これを利用しない手はない。サターン、セイラの捜索はお前の担当だったな」
「はい」
「早急に見つけ出せ。その折に秘宝を奪う作戦を立てる」
「了解しました」
サターンは不敵に笑った。
「もうじき…、…もうじきだ、世界は私のものになる」
アカギは、ディアルガ、パルキアが捕捉されていりモニターを見つめながら、小さく呟いた。