Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第24話 見えない視線
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「1、2、3、1、2、3、1、2…、oh!ダメデース!動きがズレてマス!」
「すみません!」
「もう一回デス!ビィはもっと思いっきり跳んで、ベティはこの辺の動きをもっとなめらかに!」
ヨスガでコンテスト練習を初めて一週間目の夜。ダンスの大体の流れを覚えた私たちは、今細かいところの指導をメリッサさんに受けていた。
「セイラ、コンテストで一番重要なのはポケモンじゃなくてコーディネーターのアナタデス!だから動きにブレがあるのは良くないね!まだまだ練習デース!」
「はい!」
コンテストのダンスは、出場者もポケモンと一緒に踊ることになっているから、私のポジションはかなり重要だ。まだ頑張ってやる必要がある。
「ジュノー、どう思う?」
「あとちょっとじゃねぇの」
そう言った後、ジュノーは視線を外に向けた。
(…誰だ、ずっと見てやがる…アイツか?)
「分かった!」
ちなみにここ数日ジュノーは大人しく私の言うことを聞いて家にいる。外に出るとは言っても、せいぜい庭くらい。だから大分ケガも治ってきた。(それにしても、ジュノーと渡り合うなんてどんなポケモンだったんだろう。傷を見る限りじゃ特殊攻撃が得意みたいだけど)
それから数時間後。
「…OK!だいぶキレイになりマシタ!今日はこれで終わりにしマショウ!」
「ありがとうございました!!」
時計の針は随分と遅い時刻を指していた。すぐにシャワーを浴びて、寝室に入る。
「ねぇセイラ、だいぶ形になってきたわよね」
「ボクもそう思う!楽しいね、ダンスって!」
「うん。明日はスモモちゃん達が来てくれるって。その時に演技の方も見てもらおうか」
それから私たちは眠りについた。疲れていたから、すぐに意識は薄れていく。本来なら眠れない筈のベティですら、疲れてボールの中で目を瞑るくらいだった。
(…寝たか)
ジュノーは昼間から感じていた気配の主に会うために、そっと外に出て行った。