Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第28話 籠われた華ヨスガ
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ヨスガジムに着いた私たちは、沢山の挑戦者の列をかいくぐって、なんとかメリッサさんにお弁当を渡すことができた。
「メリッサさん、忘れてましたよ!」
「oh!セイラ、アリガトウゴザイマース!」
驚いたことに、挑戦者達は30人位いる。何故かはわからないが全員戦いたくて仕方ないらしく、メリッサさん自身はおろか弟子のトレーナーさんたちまで忙しく立ち回っている。
「大変そうですね…」
メリッサさんは軽く汗を拭きながら、来るついでに買ってきたコールドドリンクを一気に飲んだ。
「ハイ。今日は特に。何故かわからないんデスケド、ジムトレーナー達にまでフルバトル希望なんデス」
(全員が……?)
何だか妙だ。この人数も、バトル形式の希望も、挑戦者たちの雰囲気も。全員帽子を目深に被り、妙に静かで統制が取れている。少し不気味だ。
「(セイラ、早く出よう。コイツらには何かある)」
私の頭の中に、緋雨の声が響く。緋雨だけじゃなく、みんな何かを感じている。
「…そうですか。頑張って下さい。じゃあ私たちはここで失礼します」
「ハイ。セイラ、気をつけて下サイ」
メリッサさんに別れを告げて、私たちはヨスガジムを後にした。
振り向きざまに見たメリッサさんの表情は神妙で、やはり挑戦者達に何かを感じているように見えた。