Get your life!(ダイゴ長編夢)
□HAPPY valentine 2010!
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HAPPY valentine 2010!
「バレンタイン、だぁ?」
緋雨の言葉に、ジュノーは首を傾げた。
「うん、人間の風習だ。ジュノーも知ってるだろう?」
「イヤ、知らねぇ事もねぇけどよ…」
ジュノーの脳裏に、在りし日のナギサジムの惨状が目に浮かぶ。甘ったるい匂いの菓子を持った女子達が真っ黒になって押し寄せ、ジムを完全包囲したために、デンジには避難勧告が出た程だ。ジムの屋上からオーバのフワライドで脱出した元主人の顔が満更でもなかったのがやたら印象に残ってはいるものの、それが何だというのだろうか。
「なあに、それ?」
不思議そうな顔をするビィに、緋雨は丁寧に説明した。するとたちまちビィの顔が輝き出す。
「わぁ!じゃあボク達セイラとベティからお菓子もらえるんだね!?」
「…まあ、普通くれるかどうかは女の子の気持ちによるが…、あのふたりならくれるだろうな、多分」
「それがどうしたんだよ?」
ジュノーは訝しげな顔をした。どうせまた突拍子もなく訳の分からない事を言い出すんだろう。セイラの手持ちになるときですらそうだったのだから、半ば確信めいたものがあった。そんなジュノーはさておき、緋雨は相も変わらず大真面目な顔のままでこう言い放った。
「逆チョコって、知ってるか?」
「…は?」
「逆?」
ジュノーは固まった。セイラが見ていたテレビでも紹介されていたが、まさか。
「ねぇひさめ、逆ってことはつまりボク達からセイラ達にチョコをあげるってこと?」
「そう。ちゃんと手作りするんだ」
「わーい、楽しそう!」
じゃあどんなの作ろうか、などとビィと緋雨が和気あいあいとしていると、ジュノーが突然叫びだした。