Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第30話
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「ズバット!トレーナーをねらえ!きりさく!」
「!!」
慌ててズバットの攻撃を避けた。ジュノーが応戦し戦い始めたけど、私はこの状況を理解しきれなくてバトルに集中できない。
「待って、」
そう言うとギンガ団の男は待たねえよと底意地悪く笑った。うろたえる私にジュノーが顔をしかめるのが分かったけれど、何がどうなってるのか私にはさっぱりだ。どうしてこう、爆発だとか何だとか、意味不明な事ばかり進めるのか。
「ギンガ団は、何がしたいのよ…!」
私が叫ぶと、ギンガ団の男はズバットをボールに収めた。
「!?」
突然の行動に当惑する私を前に、ギンガ団の男は私に近寄ってきた。緋雨を後ろに庇いつつ睨みつけると、その男は苦笑した。
「だからさ、俺はアンタそのものには害を与えるつもりは無いんだって」
「ふざけないで…!緋雨は渡さない!!」
すると男は呆れたようにため息をついた。
「いーかげんにしろよ。あっちの連中より俺は良心的だって言ってんのに」
なぁオイ眼鏡のお嬢さん、と尚も私に近寄ろうとする男の前に、ビィ、ベティ、ジュノーが立ちふさがる。
「セイラに近寄らないでよね」
というビィの声が聞こえた。ベティやジュノーも威嚇している。
「ありゃ、ずいぶん嫌われてんなぁ」
それにしても随分良いポケモン連れてんじゃん。お前らも貰ってやろうか、と言いながら笑うこの男の余裕が不気味だった。背筋が凍る思いがする。
「まぁいいや。さっきの質問に答えてやるよ。今日の任務はヨスガで資金調達、つまりは略奪」
「…!?」
さっきも言ったのに分かってねーなー、と言いながら男は続けた。
「でさ、アカギ様は、新しい世界をお造りになりたいんだと」
「…は?」
意味が分からない。あまりにも突拍子もない発言に呆然とする。セイラの後ろで、緋雨の目が酷く淀んだ赤色になった事など誰も気づかない。ギンガ団の男はセイラの反応を見てにやりと表情を崩した。