Get your life!(ダイゴ長編夢)

□第31話 狂宴の貴公子
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憎い憎い憎い憎い、

俺の体の奥底で、全て殺せと声が聞こえてくる。俺の一つだけの目玉が、ひどく動くのを感じる。心のどこかで冷静な自分もいるが、まるで体の支配権を無くしたようだった。

セイラが倒れた。俺を守ろうとして。
彼女は戦おうとしてくれた。彼女は俺とギンガ団の関係なんて知らない。だから、それがどんなに俺にとって嬉しかったかなんて、きっと分からないだろう。同じ思いを抱える人に、再び出会う事ができた。それだけで、三年間何の喜びもなかった日々も浮かばれる気がしていたのに。

「うぁ…!!」

崩れ落ちるセイラと、それなのに動けない俺。無くした右目が酷く痛んだ。刺すとも、抉るとも言えないその痛みは、俺の脳裏に一日だって忘れた事の無いあの日の出来事を浮かび上がらせた。

「ダン!ダン!!お願いだ、死なないで!!」

「惜しかったなぁ…。お前がサーナイトになるの、見たかった、よ」


そして握った手は力なく落ち、あの温かさを永遠に無くした。

俺に向かって伸ばされたセイラの手が地に落ちた時、俺は死にたくなった。またか。また繰り返すのか。また俺は、大切なものを守れないのか。ギンガ団に奪わせるのか。

その瞬間に絶望は憎しみに変わった。そしてそれはギンガ団員が俺の体に触れた時、瞬時に俺の精神を覆い尽くした。
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