Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第五話 ノモセでの出会い
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「それでですねセイラさん、マキシさんはジムリーダーにしてプロレスラーなんですよ!」
「へぇ、すごいね」
私はスモモちゃんとの旅を楽しんでいた。やっぱり、誰かと一緒にいたい。そう思うのはとても自然なことだ。少し危なっかしい所もあるスモモちゃんを、ルカリオが見守るようにして歩いている。本当にこの子はいい子だと思った。スモモちゃんとルカリオは互いに信頼し合っていて、だからお互いの為に頑張れるんだろうな。そんな関係が羨ましい。
「わぁ、涼しくてきれいな町…」
湿地を擁するノモセシティは常に涼しい水の町だった。町中でも青々とした植物があちこちに見られ、空気もとても綺麗だ。ノモセジムが待ち合わせらしいのでそこに向かうと、入り口付近でプロレスラーの格好の男性と金髪の少年が何やら大声でもめている。
「だーかーらー!いいだろ師匠、オレにも稽古付けてくれよ、ついでにあの店紹介してくれよ!」
「師匠言うな!お前なんか弟子にとれるか!自分の父さんに頼め!!あとお前が勝負処入るようになったらうるさくてかなわん!」
「ひっでー!何だってんだよー!」
憤慨する金髪の少年の横から、スモモちゃんが恐る恐る声をかける。
「…あの、マキシさん…」
「おお!スモモじゃないか!」
金髪の少年はスモモちゃんを見た後、今度は私の方をじっと見てきた。
「あっれー?お前何してんの?つうかその人誰?」
マキシはジュンの頭をボカッと殴ると、「二人とも、お久しぶりです」と言うスモモに話しかけた。
「いや悪いなぁ、バカがいて。練習は午後からだから、それまでゆっくりしてくれ。ところでその方はおまえの姉さんか」
「いえ違います、セイラさんは命の恩人で
「どうもこんにちはスモモちゃんのお宅にお世話になってるセイラといいます」
…あれ?」
私は話を遮って早口に自己紹介をした。いくら事実だと言っても、スモモちゃんが誰かに会う度にその話をするのは照れくさい。
「へーそうなんだー。あ、オレはジュン。よろしくな、セイラさん」
ジュン君はそんな私の様子を大して気にした様子もなくニッと笑った。くだけた雰囲気のジュン君が何だか気に入った。今まで周りに居ないタイプだったからかもしれない。それからマキシさんも自己紹介をした。そして全員でジムの中へ入っていった。(ジュン君は追い出されそうになっていたけど)
「なぁ、セイラさんってポケモンいないの?」
「あ…うん」
みんなでジムの中でくつろいでいると、ジュン君がパートナーのエンペルトを撫でながら聞いてきた。そういえばそうですよね、とスモモちゃんも言った。
「捕まえたりとか、しなかったんだ?」
「…うん。家の人が、ポケモン持たせてくれなかったから」
ひっでーなそれ何だってんだよーとジュン君は言った。でもこれは事実だ。私には自分のポケモンはいない。自分のパートナーと寄り添うスモモちゃんやジュン君を見る。もし私にもポケモンがいてくれたら、二人みたいに強い気持ちを持てるのかな。そう呟くと、ジュン君はこんな提案をしてきた。
「だったらさ、サファリゲームやってみれば?師匠今準備とかしてるし、セイラさんとスモモとオレとで行こうぜ」
「わあ、いいですねそれ!」
楽しそうに二人ははしゃぐけれど、私は初めて聞く言葉に戸惑った。
「サファリゲーム?」
ジュン君とスモモちゃんはサファリゲームについて説明してくれた。二人は最初私がポケモンを持ってないことに驚いたそうだ。だから私にポケモンを持って欲しいそうで、ポケモンの良さについて物凄く語ってきた。
「いいですよ、ポケモン!」
「そうだぜセイラさん、持たないとかマジもったいない!!」
そこまで言われると、私だって気になる。
「…うん。行ってみようかな」
ポケモンが傍にいてくれたら、心強いかもしれないし。
私はジュン君と、午後試合にも関わらず乗り気なスモモとちゃんと共にサファリパークに向かった。