文
□風船
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「夢の国にいたんだ、ともくんと」
止まった遊具と人混み無く静かで、遊園地の様な場所。
「はしゃいでたら風船が飛んじゃったんだよ、しまったなぁ…なんて空を眺めてた。
まるで空が吸い込んでいくみたいで…で―じ怖くなっちゃって」
誰も居ないはずの遊園地で、遠くから俺を呼ぶ声がした。
『新垣――…!』
「ともくんが風船をたくさん持ってたんだ。面白い夢でしょ?」
「…新垣って、ほんとロマンチストだよな」
「見たのはたまたまだから…!」
「でも新垣の頭の中で作られた出来事なんだろ。今度はロミオとジュリエットで出演しててほしいな笑」
「あれ悲劇だよ?」
「じゃあ白雪姫とかで」
「俺1回死ぬ上に姫役になるんだけど」
「おまえ結構白いから白雪姫いけるだろ。ほら、動物にも好かれそうだし歌上手いし」
「…なにそれ」
「で、白馬に乗った俺が助けに行くから」
「え―、主将かもしれないでしょ?」
「確かに木手に白馬似合うかもしれないけど…王子は俺で、平古場は魔女、
知念は命を狙うが新垣の純粋さに殺すのを止めた人とか!」
「…///なに1人で盛り上がってんの…バカ」
不知火家で夢を語り合ったり話が尽きる事はなく、
新垣は一体あの夢は何だったのだろうかと頬杖をついて耽った。
終