短文


・知木オンリーの短文。
・知念視点。
・知念変態思考。
(R指定も混じっていますので注意。)
◆喧嘩した 

慧「え―…寛、最近ぼーっとしてるばぁ。ちゃ―した?」

知「あ―…なまな、解剖実験してるとこ想像してた」

慧「はあ―…??危なすぎんどぉ」

知「で、永四郎に夢の中でも怒られたさ」

慧「永四郎かよ。とっとと仲直りしろよぉ?」

知「あぁ。今度は慧くんを仲間にして、不知火でもおどかす想像するかやぁ」

慧「なんのイメトレだよ…!わ―を巻き込むなッ」

知「永四郎を想像してたら学校やしあれだろ?だから慧くんを想像すれば萎える」

慧「はァ?んだそれ!普段なに考えてんばぁや―は!!」

知「食べ物しか頭にないや―に言われたくないさぁ」

慧「フン、飯が一番さぁ!!」

知「フフ…子供やさぁ慧くん」

慧「なんか、むかつく!」

2013/06/05(Wed) 00:17 

◆08.遠いね 


「わ―…せめて2組か3組が良かったさぁ」
「せめて?」
「そうしたらクラス合同のとき、一緒なのに」

永四郎と不知火は1組。
慧くんは5組。
わ―は6組。

「休み時間や部活で会えるでしょう」
「そうじゃないんばぁ…」
「確かに、俺も…君と田仁志くんがいないとちょっと違和感を感じますがね」

寂しい、とは言わなくても
口調でなんとなく分かった。

「知念くんの理由は?」
「プールのときが、で―じ悔やまれる」
「はい?プール?」
「永四郎の肉体美を慧くんとわ―でうまく隠せられたのに、他の奴らに見られるかと思うと…」
「……アホらし」
「ぬ―でか…!」
「どうせ部活でも海で上半身出します。なにを今更」
「永四郎がプールの授業で先生の言うこと聞いて準備体操したり、裕次郎や凛に説教したり、泳いだり、そもそも帽子かぶったとこレアやし…」
「ッ…あの帽子はほんと嫌いです!ヘアセットし直さないといけない。それに気持ち悪いですよ知念くん」
「…いつものことやが。わ―よくキモイ怖い、言われる」
「本当ですか?一体…いつ?」
「実験してるときとか」
「あぁ…急に君が熱中し出して、周りが驚く場面は容易に想像できますね」
「永四郎…やっぱりわ―怖いか?」
「背、手足の異様な長さ、目つき、喧嘩腰だからじゃないですか?考えられる要因は」

はっきり言われうなだれる知念。

「でも君の良さは仲良くならないと分からないものですよ」
「…永四郎」
「元気だしなさいよ」
「わ―…やっぱり永四郎のクラスが良かったさぁ」
「はいはい。俺のこと大好きなのは分かりましたから、早く教室戻りましょうね」

時間はあっという間に過ぎてしまう。
そろそろチャイムが鳴るころだ。

「ケータイやっぱ欲しい…」

メールできるのに
電話できるのに
いつでも どこでも。
できれば海でも使える
防水ケータイが欲しい
けど。

「知念くんはあんまぁ思いですね…そういうところも君の良いところですよ」
「っ……」
「また部活で」

名残惜しく手をふって
また別々の教室へと向かうのだ。

2011/07/12(Tue) 15:07 

◆07.KFC 


「永四郎」
「なんです、知念くん」
「永四郎もかぶり付いて食べた方がいいさぁ。そっちのが断然美味い」
「…ですがね」

田「永四郎は行儀にうるさすぎさぁ」
不「そうそう」

「…………」

木手は骨付きチキンを見つめた。
みんなの視線を浴びながら、空腹に耐え兼ねず周りの鶏肉に噛みつく。

「な?ここは口が汚れるのはしょうがないさぁ」
「…ん、まぁ仕方ないですね」

知念と木手は笑っていると、田仁志と不知火の熱視線に木手は気付いた。

不「木手のかぶり付くとこレアだな」
田「でーじ似合わんばぁ」
「…俺も人間ですよ」
「永四郎は大人扱いなんさ、こいつらにとっては」

そう知念は楽しそうに言うので、みんなの流れに今はのった。

「しかし食べづらいですね」
「ん―…そこが美味いんさぁ」
不「それより田仁志、口の周り拭けって。こぼし過ぎ」

不知火は見かねて紙ナプキンでテーブルを吹き出す始末だった。
木手は田仁志のデコを小突いたら知念の笑い声が跳ねて会話が止まない。

「知念くん…」
「ん?」
「あなたも場違いだと思ってるんですか?」

知念からの視線を感じる木手は耐え兼ねない様に言い放つ。
木手の大人びた容姿、なによりこの髪型は
ファーストフードを無邪気に食らいつく姿など程遠いイメージだ。
紙ナプキンで丁寧に口元をぬぐう木手はやや不愉快気に睨む。

「いや…悪い……魅とれてた」
「は、?」

不知火と田仁志は二人でなにやら違う話で盛り上がる手前で、
知念のボソリと言った言葉に思わず固まった。

「絵になる…永四郎の食べ方」
「…この食べ方はお手本になりませんよ」
「違う……なんか色っぽい」
「っ………」

チキンを喉に呑み込み損じて木手はムセかけた。

「なにを…言って…っぐ」
「大丈夫か?」
「ゴホ…んん、大丈夫ですよ…!もうこっち見ないでください」
「ぬ―で…?」
「食べ辛いでしょう……まったく」

やけになったのか木手はチキンを骨の最後まで噛みついた。
知念はハンバーガーを食べながら、
木手の口元からチラつく舌の色や焼けた肌の色で余計際立つ白い歯など、新しい部分を見つけて視線が外せない。

「…ドラムじゃないと口が汚れる」

そういう木手に紙ナプキンを渡すと素直に受け取り手と口元を小まめに拭いた。

「知念くん、もっと食べなさいよ」
「食うとるさ…さっきから。永四郎、チキンまだあるから食う?」
「い・い・え」

頑なに断る木手の前に沢山盛ったチキンのカゴを置く。

「残念さぁ…」
「なに面白がってるんですか、知念くんまで」
「美味いんだから気にせず食えばいいんさあ…永四郎は一目を気にしすぎ…」
「察してくださいよ」
「……恥ずかしい?」
「…違いますよ」

嘘だなと口調で感じた知念は、
黙って反論せずハンバーガーを咀嚼し呑み込んだ。
手つかずのチキンを取ってかぶり付いていたら、木手が聞き逃しそうな声でため息を吐く。

「二人きりならいくらでも見せてあげますがね…」

木手は諦め半分で呟き、知念は意味を飲み込むと頭の先まで熱が上がった。

2011/07/12(Tue) 14:43 

◆06.理想 


「わ―は理想高いかも…」

甲「へえ、意外さぁ〜!」
田「飯作るのが上手いいなぐがいいばぁ」
平「や―は予想通りやしっ。わんはオシャレで可愛くねえと嫌だ」
甲「永四郎は?どんなのがタイプなんばぁ?」

5人でいつものハンバーガー店に行きテーブルを囲む。
向かいに座っている永四郎をじっと見た。目線は合わない。

木「そんな事を考えていると君たちは練習に身が入らないでしょう。この話はもうやめなさいよ」

さすが永四郎。女子になんて目もくれていない。
クラスで騒いで浮かれてよく喋るフラー共に埋もれているタイプじゃない。
(部員以外は基本、人は好かない)
群を抜いて気品を放ち、落ち着きがあって頼られていて、
立ち振舞いや喋りもちゅらで、近寄りがたいオーラが………また良い。

平「頭が固すぎんだよ、や―は」
木「いつまでも喋っていないで早く帰宅しなさいよ。俺は先に帰ります」
知「わ―も行くさ、永四郎」
甲「二人とも帰っちゃうんばぁ!?」
平「寛はいいだろ、行かなくてもっ」

みんなの反対を押しのけて
二人の帰り道になれば、途端静かになる。
あぁ…心地よい静けさ。

「君はハンバーガー店になんて寄らないでちゃんとした物をもっと食べなさい」
「永四郎…」

永四郎はちゃんとわ―の事も見てくれる。
そんなところも……で―じ好きだ。

「このまま痩せこけてるようだったら、俺が作ったゴーヤーおにぎり食べさせますよ」
「え…、永四郎は料理するんばぁ?」
「もちろん。自家製のゴーヤーで作ったお弁当はスタミナも付くでしょう」

嫁に来て欲しい…。
監督がペナルティで食べさせる汚そうな料理と違って、(綺麗好き)
潔癖症で身の回りも綺麗な永四郎が料理をする姿を想像すると…
何でも胃に詰めたいと思った。

「食べたい…」

率直な感想に木手は笑んでくれた。

「これで知念くんも健康な身体を手に入れますね。今の身体は身長を考えると痩せすぎですから」
「あぁ……、毎日食べたいさぁ」
「庭に栽培しているゴーヤーならいくらでも作れますので、なるべく持っていきますよ」
「………。ゴーヤーの種買って持ってく」

いや、将来も毎日作って欲しいんやが。
違う家に住むことがすごく煩わしくなった。

料理が出来て
スタイルも顔も良くて
頭が良くて完璧な人

やっぱり理想が高いと思った。

2011/07/12(Tue) 13:46 

◆05.夜目が効く 


暗闇にして永四郎を組み敷く。
暗闇で眼鏡を取る。
永四郎はお互い見えないと思っている。
両腕を縛れば、驚いて嫌がる。

どこがいい?って聞けば、
ある箇所で顔を歪ませ身を震わせるので感じる場所を狙って突く。
違う…って言われても、
暗闇で目の効くわ―からは感じているのが丸分かりだ。

甘い痺れに耐えられず噛んでいた永四郎の唇から吐息を洩らす。
涙がちゅらさん。
見下ろしていくらでも見れる肢体もちゅらだ。

ティッシュを取りに行けば、本当は見えるんですね?と怒り出したから、
見えない…手探りだと伝える。
脚を固く閉じて悔しそうに唇を噛む永四郎に優しく言えば、
本当…?と問われ、あぁ…と嘘をついた。

事後に秘所と中心を拭いてやると、口から声を洩らさない様に耐える姿。
縛っていたのをほどき、電気を付けて、眼鏡をかける。

マットの上にジャージを敷いてたんですか…と呟くので、わ―のだと答えると、
だから…大丈夫って言ってたんですね…、と音をたてて頬を叩かれた。

すみません…でも暗い所に呼び出して縛ったりまでする君が悪いんですよ…
暗くなかったら殺してましたけど。
と、永四郎は気付いていなくて、密かに安堵した。


「……あぁ、…永四郎は……天の邪鬼やが……」

長い棒のアイスを舐めて、
ふと永四郎のを思いだし、
舐めれば舐めるほど口は嫌がる癖に、
顔や身体は感じていた天の邪鬼な性質。

そうして、暗闇でビンタなら…
明るかったらどうなっていたのだろう。
きっと羞恥で怒られ、3ヵ月は禁欲生活になったのだろうか。

「……(あの時のを…おかずに…3ヵ月くらいならいける…)」

一筋縄ではいかない性質は
マジでたまらんばぁよ…

2011/07/12(Tue) 13:28 

◆04.大人 


「永四郎にかかる重みもあいつからの重圧も、
 痛みも全部全部わ―が代わりになりたい…」

「…………」

「永四郎みたいに頭がキレる訳でも大人相手に余裕でかわす事も、
 わ―はまだ出来ん……だけど、少しでも、身代わりになりたい」

「…………」

「永四郎のためなら、何だってする」


成績優秀で常に上位で
先生からの信頼は厚く目立つ生徒だ。
酷く多忙で部員の失態は部長の責任だって
叱られて体罰を受けてストレスは直に常に振り掛けられて


「……じゃあ、…黙っておきなさい。命令ですよ」


永四郎は大人すぎる…

2011/07/12(Tue) 13:16 

◆03.におい 


永四郎の愛液を指で確かめれば
汚いですよ、と怒気を発せられ、早く洗いなさいとうながされる。


それでも家に帰ってかいでみると
永四郎の香りは指に残っていて何時までもとれない。
こっそり覚えていく、色も粘り気もにおいも。

このにおいを肺に通すと夢中になってしまい、あの行為がよみがえる。

永四郎の…

指を舐めた。
今度は本物を舐めたいと感じた。


きっと信じられないといった目で見開いて
また頬を赤らめて怒るのだろう。


指に舌を這わせて酷く興奮した。

2011/07/12(Tue) 13:13 

◆02.解剖 


いつも永四郎は何を考えているんだろうかとよく想像する。


頭の中身を見てみたい。

あわよくば、そのしなやかで美しい肢体の
柔らかな身体をメスで差し込んでみたい。

中身を見てみたい。

痛みが快感に変わったら良かったのに…。
解剖はかなわないから、夢で永四郎を覗き見る。

手術台か実験室の上に
良いですよ、と服をはだけさせて誘う永四郎。

中がみたい。

皮膚を透かしてみたい。

人体展をみに行ったときに
ひっそり永四郎と重ね合わせてみよう。

2011/07/12(Tue) 13:07 

◆01.浮気 



一回目は蹴りを入れられた。
二回目は頬を叩かれた。


いや殴られたのだろうか。
鈍い痛みをじわじわと感じながら、ザラリとした口内の血を舐めとる。



殴った永四郎は、きっと倍に傷ついたんだろうか。

最後までしたと聞いて、どう傷ついたんだろうか。

密かに夜、一人で泣いているんだろうか。



想像するだけで胸が熱くなって自然と口端がゆるむ。

2011/07/12(Tue) 12:03 

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