ロイアイ小説U

□but only 「ワン」
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6月1日








「これが何を示すか分かるか、中尉?」


「あなたの日…ですよね?」


「その通り!流石中尉だ!」


「…だから何かしろ、と」


「完璧だ!そこまで分かってくれるとは!」







6月1日であった。

この日は私の日だというのが広まっており
それを知った年から便乗して、毎年毎年 プレゼントをもらったり祝ってもらったり
まるで誕生日が増えたようで実に愉快だ。




そして毎年恒例なのが 中尉に我が儘を聞いてもらうこと。



最初は
「でしたら私も何か買ってきます」と言ってプレゼントを用意してくれたが
それよりも君と話をしていたり側にいる方が幸せだと気づいた私は、翌年から 一緒にご飯に行こうだとか出掛けようだとか、デートの誘いのような、プチ命令のようなものをするようになったのだった。






「仕方ないですね。せっかくの記念日です、何でも叶えてあげますよ」


「うーん…」






だから今年も張り切っていた訳だが
そういえば、何をしてもらおう?


大抵のことは今までしてもらってきた。


これ以上何を望もう?











「…大佐?」



首を捻り腕を組み黙り始めた私を不思議そうに彼女が覗きこんだ。






「んー…いや、考えてなかったよ」


「考えずに言ってたのですか!?」





はぁ、と中尉が溜め息をついたとき


ふと、閃いた。


そうか、これからはそうしよう

今まで思いつかなかった。






かと思えばニヤニヤと笑いだした私をみて、とことん不思議がって

「どうしたんです、今年もミニスカは却下ですからね」


なんて言う彼女に、最高の笑みを浮かべる。






「決まらん!君が決めたまえ!」


「え!?」




動揺する彼女に 私は続けた。




「君が逆に、私に何かしてくれと頼むのだよ!君に頼まれると思うと楽しくてワクワクするな!」






今度は彼女が腕を組み黙り、私は嬉しそうに待った。




なんだ?服か?ディナーか?ん?何でも叶えてやるぞ?









「えと…」










しばらく悩んだあと、中尉は急に俯いて、自分の指と指を絡めたりしながらもじもじしだした。



その反応が可愛くて可愛くてまたニヤニヤしながら
決まったか?と聞くと やがて 小さい声で応えてくれた。















「これじゃあ…あなたの記念日じゃなくなってしまいますけど…私でもいいなら…その…っ」



「言ってごらん?」



「その…大佐に……」



「ん?」



「側にいて…ほしいです」















私は一瞬表情を失った。



「あ…あの…だからその…」





「…中尉?」




「…はい」









「…本当にそれでいいのか?」












「もちろんです」













「側にいる、なんて当たり前じゃないか」












「当たり前が、幸せなんですよ」













その微笑みはふわりと柔らかくて。

















君の頼みなら仕方ない






今日はずっと側にいようじゃないか








片時も離れず














ずっと側に
















もちろん、これからも


















end.





書けましたロイの日小説ー!!



今貧血でかなり辛くて
ひどく適当な内容ですが
間に合って良かった!!



お付き合い下さいましてありがとうございましたー!!









10.06.01

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