擬人化小説
□偏愛兄弟日記
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ここは、ケロン星にあるケロン軍の基地。そこに、一人のケロン人が頭を悩ましていた。
「フゥ・・・・・」
彼の名は、ガルル中尉。ギロロ伍長の実兄であり、ケロン軍一のスナイパーの異名を持つ男である。
「タルル上等兵」
「うわはっ、はい何っスかガルル中尉」
中尉は、部下であるタルルの方を向き、話しかけた。
「ペコポン(地球)までは一体、ケロン星からどれくらい距離があるかね?」
「――――は」
思わずノリでコケてしまいそうになったタルル。そんな彼の返答を全く気にせず、淡々と話を進めるガルル。
「会いに行きたくても、易々とはイカナイ・・・Σくっ!私が一体、何をしたというんだ!!悲劇だそう・・・これではまるで織姫と彦星くらいの悲劇ではないか」
「あ、あの・・中尉??」
「ギロロ〜〜〜〜」
中尉は少々、《ブラコン(ブラザーコンプレックス)》だった。
―――――パシュ。
自動開閉ドアを何者かが通って二人に近付いて来た。
「ププ〜〜」
「トロロ新兵どうしたんスかわざAこんなところまで」
「ちょっと、面白いモノを見つけてさ〜」
彼はトロロ新兵。過去にケロン軍に何度もアタックしていた、ハッカー少年であった。
「これを聴いてみなよプププ」
トロロは、ガルルとタルルの前にパソコンを出した。そして、音楽再生のプログラムを起動させた。
『ガッ、ガッガ、ガガガ・・・』
「む。何だこれは?」
「これはね〜、最近僕かダビングに成功した、地球のレイディオ放送だよ。ププ〜」
「“レイディオ”というと・・・俺らの星の通信機能みたいなやつっスね」
「地球・・・・というとまさかそこにギロロが出ているのかね」
「そのまさかだよ」