蒼
□イシンデンシン
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―‥たまらなくアナタの声が聞きたかったのだから…
イシンデンシン。
「っあーっ!!やっと終わったーぁ」
山のようにあった書類を片付け、そのまま疲れた体を椅子に預けると、キィ…と静かな室内に音が響いた。
本来ならば部屋に戻ってシャワー浴びて、ベッドに横になりたいのだが…
「めんどくせぇーよなぁ」
天井を見上げポツリ呟いた。
「あ」
何か閃いたようにポケットから中身を取り出す。 その顔はどこか嬉しそうでもあった。デタラメな鼻歌まで飛び出すほどに。
目当ての物を取り出すと、暫くそれを見ていた。鼻歌はもう止まっており、笑顔からどこか緊張したようにそれをじっとみる。
「…起きてっかな」
今度はどこか不安そうな言葉が響いた。
手に持つそれを開き、いくつもあるボタンのひとつを押す。
ピッ。と電子音が響く。
それの上部の画面に文字と数字が映し出されていた。
また、そのまま固まったように画面を見ながら今度はうー‥だか、あー‥だかと唸り声をあげだした。
「やっぱ…やめとくか」
夜も遅いし…、きっと寝てるし…などと言い訳のように呟いて、パタンとそれを元の形状に戻すために折りたたんだ。
その時。