□イシンデンシン
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―‥たまらなくアナタの声が聞きたかったのだから…



イシンデンシン。



「そろそろ…だな」

チラリと傍らにあった携帯電話を見た。
それを手に取り、開く。
時刻は深夜の零時を示していた。

じっ…とその画面を見つめても何も変化しない。

フゥ…

1つ溜め息を零し、幾つもついているボタンの1つを押した。

ピッ

と、音がして画面がパッと変わり、名前と番号が現れた。

それを確かめると躊躇なくボタンを押し、耳にあてた。

プルルルル…

暫く長めに流れていた音はプツっと途切れ、声が聞こえた。

「もしもし…こんな時間にどうしたんだよ。」

その声はどこか嬉しそうで…

今まで無表情だった顔もまるで、その声につられるかのように微笑みに変わって、

「仕事、サボってないですか?」

遠く離れた顔をにやけた恋人を思い浮かべながら、第一声を伝えた。








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