蒼
□甘い贈り物 前編
3ページ/5ページ
「ねえねえ、オメガスプリームは誰にあげるの?」
クイと袖を引っ張り、サリーは瞳を輝かせて尋ねてきた
「あげる、とは?」
「やだなぁ、チョコレートよ!チョコレート!!」
繰り返し強調させた言葉にあぁと返し、そのままふと、考えてみる。大切な人か…
「…サリーはどうなんだ?」
どう考えてもいまいち頭に浮かばなくて、参考にサリーに尋ね返す。
「あたし?あたしはねーパパと兄貴かな。ま、兄貴には本命がちゃーんといるんだけど」
「サリー!!」
「ごめんごめんって」
目の前で戯れ合う少女達に自然に笑みを浮かべる。あぁ、なんて平和なのだろう。