SOS
□僕の力
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僕には力がある
超能力のような力が
その力は彼女が生み出す空間で暴れる化け物を倒すことができる
あの灰色空間を守るのが僕の使命
しかし、今はどうだろう
化け物は、神人は倒した
灰色空間を守った
でも、何故隣で人が倒れているんだ?
いつもの気だるそうな目は瞼に包まれている
いたるところに擦り傷や打撲が見える
頬には殴られた痕
衣服が乱れている
うつ伏せに倒れた彼の下から血が流れている
｢キョンくん?｣
何故、彼が
何故、彼が
何故、彼が
何故、彼が
彼の血が流れている
｢おそらく…彼は暴漢に襲われた｣
長門さんの目には悲しみと怒りと悔しさが見える
彼は最近長門さんの感情が分かるようになってきて嬉しい、と言っていた
｢閉鎖空間付近で襲われたと思われる
脇腹を刃物で刺されているが、命に別状はない｣
命には
でも、
｢彼が目を覚ました時、もう笑ってくれないかもしれない｣
僕の力は灰色空間を守るもの
それは世界を守ることに繋がっていると僕は思っていた
大切な人を守れなかったくせに
僕の世界を守れなかったくせに
結局、僕は何も守っていない
僕の力は何だ
END
→終わりに