SOS

□雨と恋人
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しとしと雨が窓を濡らし、時折風に流された雨粒が窓に当たって弾ける
彼は僕の家の窓ガラス越しに空から落ちる雨粒を見送りながらひとつため息を吐いた
まったく忌々しい、と言う彼に僕は内心嬉しかった
彼が僕との休日を楽しみにしてくれていたと思うと嬉しくて仕方ないのだ

彼とそういう関係になる前、彼は僕が彼に好意を抱いてることに全く気づかずむしろ嫌っていると思っていたらしく、すぐには信じてくれなかったし
ああ
鈍感すぎる彼を振り向かせる以前に誤解を解くが本当に大変だったなぁ
おかげで神に僕の彼に対する好意がバレてしまい、世界は崩壊すると思われたが、どうやら僕が彼に夢中になっている間に、彼があまりに鈍感すぎたため神の恋心が母性に変わったらしい
逆に応援されてしまった(それはいい、いいんですが…)

ようやく誤解を解いても、今度は僕の恋心を信じてくれない
周り(彼以外のSOS団と彼の友人2人)が応援しているのに気づいた彼は何故か罰ゲームと勘違いするし
「何なんだお前は」
「何と言われましても…僕はあなたが好きなだけです」
「罰ゲームなんぞをそんなに律儀せんでもいいだろう
ハルヒがかんでるみたいだし俺から言っといてやるよ」
「いや、ですから罰ゲームではなく…」

あまりに信じない彼についに僕は誰もいない夕暮れの部室で彼にキスをし、押し倒した

「これが罰ゲームだと?
僕の恋心を嘘だと言うんですか!」

あの時の僕は相当情けない顔をしていたと思う
彼は泣きそうな顔をして、
罰ゲームでなきゃこんな都合のいいことあるか!!
、そう言った
驚き、彼に詰め寄ると彼も僕を好きだと言った
しかし、ああみえて彼は自分の立場も役割も自分が閉鎖空間を作る原因のひとつでもあるとも分かっていた
だから、僕が彼を嫌っていると思っていたらしい
僕の恋心を信じられなかったのは、僕が涼宮さん涼宮さんとよく言うから僕が涼宮さんが好きだと思ったからだと彼は言った

「キョンくん、よく聞いてください」
「……」
目を合わせようとしない彼の頬を両手で包んで目を合わせた
「僕はキョンくんが好きです
神とか鍵とか関係ありません」
「…うそ、だ…」
軽く彼と僕の唇を触れさせ、



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