BLEACH〜十四番隊の死神達〜
□挑発と怒り
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虚夜宮 広間
恋次が戦っている頃、一護はネルを抱えて虚夜宮を走っていた。
だが
一護「!!!」
ルキアと未来の霊圧が極端に弱まったのを感じ、一護は立ち止まる。
ネル「うぁっ! どうしたッスか一護?」
一護「ルキア、未来・・・・」
ネルの問い掛けには答えずに一護は2人の名前を呟く。
その時
ブン
ウル「気付いたか?」
一護、ネル「!!!」
突如響転で現れたウルキオラを見て、一護とネルは驚く。
ウル「力ばかりの餓鬼だと思っていたが・・・存外まともな感覚もあるらしいな」
一護「てめぇは・・・」
ウル「久しぶりだな死神」
ウルキオラはそう言うと、広間にある階段をおりてくる。
一護「・・・ウルキオラ」
一護は彼の名を言う。
ウル「俺の名を覚えているのか? お前に名乗った覚えはないのだがな・・・」
ウルキオラは、一護が自分の名を知ってることに多少驚きながら階段の一番下までおりてくる。
ウル「まあいい・・・朽木ルキアは死んだ」
一護「!!!・・・何・・・だと・・・」
ルキアの死んだというウルキオラの言葉に一護は動揺しながら言う。
ウル「正確には第9十刃“ヌベーノ・エスパーダ”と相打った・・・・全身を斬り刻まれ、槍で身体を貫かれた・・・生きてはいまい」
一護「適当なこと言うなよ。 ルキアの霊圧が小さくなったのは今だ・・・戦ってもいねーてめえが・・・・「“認識同期”ヌベーノ・エスパーダの能力の一つであり、奴の役目の一つでもあった能力だ」
一護が話している途中でウルキオラが話し出す。
ウル「奴は自分の戦った敵のあらゆる情報を瞬時に全ての同胞に伝えることが出来る・・・」
ウルキオラがアーロニーロの能力を説明している途中だったが、一護は彼に背を向けてその場から立ち去ろうとする。
ウル「・・・何処へ行く?」
それを見たウルキオラは一護に問い掛ける。
一護「・・・ルキアを助けに行く・・・」
問い掛けられた一護は静かにそう言う。
ウル「・・・死んだと言った筈だ」
一護「・・・信じねえー」
ウル「見解だな・・・俺を殺していかなくていいのか?」
自分を無視して行こうとする一護にウルキオラは聞く。
一護「てめえと戦う理由はねぇ」
ウル「・・・・どういう意味だ?」
戦う理由がないと言う一護に、ウルキオラは疑問を感じる。
一護「てめえは敵だが、てめえ自身はまだ誰も俺の仲間を傷付けてねぇーからだ」
ウル「・・・・・・・・そうか、虚圏に井上織姫を連行したのが俺だと言ってもか?」
戦う意志を見せない一護に、ウルキオラは冷徹な言葉を浴びせる。
その瞬間
シュン!
ネル「うぇお!」
瞬歩を使い一瞬でウルキオラに斬りかかっていった一護にネルは振り落とされる。
ガン
しかし、ウルキオラの腕に攻撃は防がれ、その腕も硬皮のあまりの硬度で傷一つ付いていなかった。
一護「やっぱり井上は、自分の意志で虚圏に行ったんじゃなかったんだな!」
一護は怒りを滲ませ、斬りつけながら話す。
ウル「・・・意外だな、助けに来た仲間といえど、少しは疑心があったらしい」
ウルキオラは本当に意外そうに言う。
一護「わかってんのか!?てめえのせいで井上は裏切り者呼ばわりされてんだぞ!!」
ウル「・・・だろうな。 そうなっていなければこちらの計算ミスということになる」
一護「!! てめえー・・・」
一護はウルキオラの冷徹な言葉の数々に、怒りが爆発しそうになる。
ウル「・・・それと、一つ言い忘れていた・・・一木未来と茶渡泰虎も恐らく死んでいるぞ」
一護「!!!」
ウルキオラのこの一言を聞いた途端に一護の斬撃力が上がる。
ウル「・・・怒りも限界だろう。俺と戦う理由は出来たか?」
ウルキオラがそれを感じて言葉を話し終えた瞬間に彼らの周りは爆発を起こした。