BLEACH〜十四番隊の死神達〜

□理解の追いつかない世界
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白哉にゾマリがやられた頃、涅 マユリはザエルアポロの人形部位破壊攻撃の前に手出しが出来ずに居た。


バキバギ


涅「ぐおっ!」


ザエル「フッフッフ、隊長格といえど、この程度か。
全く残念だよ」


涅「ぐっ・・・・私にこんな真似をして・・・ただで済むと思うな!」


涅は怒りを滲ませながら叫ぶと立ち上がる。


しかし


ザエル「無駄だ」


バキ!


涅「なっ! ぐあっ!!」

足の腱を破壊されてしまい再び倒れ伏してしまう。

バギボギバギ


更に部位を破壊され、涅は痛みに呻き声を上げる。


涅「くっ・・・・まさかこの私が・・・こんなところで命潰えるとは・・・・」


ザエル「終わりだよ」


バギン!


涅「!・・・・・・・」


そして首の骨を折られ、彼は息絶えてしまった・・・・


ネム「マユリ様ーー!!」


涅の副官で、彼の技術の粋を集めて作りだした娘でもある“涅 ネム”がそれを見て倒れながら悲痛な叫びをあげた。


石田「まさか・・・・」


恋次「そんな・・・・」


ザエル「ハハハハハ! 隊長格だか何だか知らないが、君達が来たくらいで事態が大きく変わることはないんだ!」


絶望的な雰囲気が辺りを覆う。


だが


涅「なんてネ」


ザエル「なっなんだと!?」


何と!死んだと思われた涅が急に立ち上がった。
それにより、ザエルアポロは驚愕する。


涅「やれやれ」


涅は服についた埃を払う。


ザエル「なっ、何でまだ生きてるんだ!?」


涅「何が?」


ザエル「くっ」


涅「起きろネム」


ネム「はい」


先程のネムの絶叫はザエルアポロを油断させるための演技だったのか、彼女は涅の指示を聞き、何事もなかったかのように立ち上がる。


ザエル「これが効かない筈がない!」


バギボギ


涅「ぶっ・・・・止めたまえヨ、その芸にはもう飽きたんだ」


ザエル「何!?」


涅「わからないかネ?ふぅ〜、まだその芸をやりたいのならやってみたまえヨ」


ザエル「ちっ!」


バキバキボキバリ!!


涅「フッフッフ」


ザエルアポロは人形のパーツを次々と破壊していくが、涅は苦痛はおろか、ダメージすら受けておらず涼しい顔をしていた。


ザエル「何故だー!!! 内臓も腱も全部潰した! なのに何故お前は死なない! 一体何の能力だ!!!」


涅「煩い奴だネ、何の能力でもないヨ。
ただ君の能力は、もう“見飽きた”と言っているだけだ」


ザエル「何・・・だと」


涅「そこのクインシー」


石田「!」


涅「私はとても用心深い性格でネ、一度戦った相手には戦いの最中にある仕掛けを施しておるのだヨ。
奴の体内に私は無数の監視用の菌を感染させている」


石田「なっ!」


以前のソウルソサエティーでの戦いの際、知らずの内に菌を感染させられていたことを知った石田は驚きの声を出す。

涅はそれを無視し、更に話を続ける。



涅「君らの戦いは、その菌を通して全て観察させてもらったヨ。
だから此処へ来る直前に、全ての腱と臓器にダミーを一つずつ揃えてから来た」


ザエル「!!! 馬鹿な! 僕がこの能力を見せてから、まだ一時間も経ってないぞ!・・・・そんな短時間でそんな真似・・・・出来るわけがない・・・・」


涅に発言にザエルアポロは動揺を隠せない。


涅「それが出来るから、此処に居るわけだが?」


ザエル「くっ・・・・」


更に繰り出される涅からの驚きの言葉に、ザエルアポロは返す言葉が見つからずに口を濁した。
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