BLEACH〜十四番隊の死神達〜
□ゼーレシュナイダー
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チルッチが羽と巨大な腕を取り外すと長いしっぽだけが残った。
石田「・・・その“解放状態”がそんな風に着脱自在なものとは思わなかったよ。全員そうなのか?」
石田がそう言うとチルッチは驚くべきことを口にする。
チルッチ「・・・自在じゃないわよ・・・棄てたの・・・二度と元には戻れないわ。あたしたちの刀剣解放の正式名称は“帰刃”破面としての肉体に虚本来の攻撃能力を回帰させたもの。・・・その姿を人型に戻せるのは再び能力を刀剣化した時だけ、再刀剣化を伴わずに姿を変えることは自らの腕を焼き切るのと同じことよ。」
石田は黙ってそれを聞く。
チルッチ「あったし燃費悪くてさァ、この羽も腕もつけてるだけでガンガン霊圧消費すんのよね。・・・だから使えないなら棄てた方がマシ。そんでその分の霊圧を・・・」
チルッチはそう言うとしっぽを広げ、扇状の刃を作り出す。
石田「!」
チルッチ「1コにまとめた方がマシ。」
石田「・・・君達にとってこの戦いは・・・そうまでして勝たなければいけないものなのか・・・!?」
自らをボロボロにしてまで勝とうとするチルッチに石田は信じられないと言わんばかりに言う。
チルッチ「はァ!?アッタマ悪ィんじゃないの!?勝たなくていいなら最初から戦争なんか起きゃしないのよ!」
石田の言葉にチルッチはそれなら最初から戦う必要などないと言う。
チルッチ「破面は兵士よ。十刃はその頭領。敵を殺し、勝つために生まれた・・・赦された敗北なんて無いのよ!何処にもね!!!」
チルッチは叫びながら石田にしっぽで攻撃する。
ガン!ガガガガガザクッ
しかしそれでもゼーレシュナイダーの振動回数に敵わず扇状の刃の先が切り裂かれる。
チルッチ「ハッ!」
チルッチは一言笑うと石田から距離を置く。
チルッチ「そういやそうよね!“剣”使ってくる奴にわざわざこんな斬り易い形で戦ってやる必要無いんだったわ!!」
そう言うとチルッチは扇状の刃を槍へと変える。
チルッチ「同じ能力を持った“剣”ならリーチの長い方が勝つわよね。」
石田「・・・・同じ能力・・・?」
石田はゼーレシュナイダーを“剣”として扱われたことを不思議がる。
石田「・・・少し勘違いをしてるな。ゼーレシュナイダーの霊圧振動は斬る為のものじゃない。振動によって斬った対象の霊子結合を弛緩させ、奪い易くする為のものだ。」
チルッチ「!!!」
石田がゼーレシュナイダーの説明をすると、チルッチのしっぽの槍から出た霊子がゼーレシュナイダーに吸収されていく。
石田「クインシーの戦いとは、周囲の霊子を収束し、自らの武器として戦うこと。それを最も強く具現化したものがこのゼーレシュナイダーだ。・・・君の霊子は最早、僕の霊子に等しい。」
チルッチ「ふッざけンなァッ!!!」
チルッチはキレて石田に槍を飛ばすが
石田「それともう一つ勘違いだ。・・・ゼーレシュナイダーは“剣”じゃない、クインシーは“弓矢”以外は遣わない。」
石田はそう言うと銀嶺孤雀にゼーレシュナイダーを絡ませる。
チルッチ「!!!」
石田「・・・済まない僕の勝ちだ、チルッチ・サンダーウィッチ。勝利は確かにリーチの差だったよ。」
ガン
石田がそう言いゼーレシュナイダーを射るとチルッチの霊力発生の源である“鎖結”を射ぬいた。