BLEACH〜十四番隊の死神達〜

□チャドの新たなる力
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チャド「今迄俺は気付いていなかった・・・いや、気付きたくなかったのかも知れない・・・この虚圏へ来た時、俺は自分の中の力がざわめくのを感じた。それは、かつてソウル・ソサエティに入った時には感じなかったものだ」


チャドはそこまで言うと歩きながら話始める。


チャド「そのざわめきは此処へ来る間も次第に大きくなり続けた・・・そして、お前に攻撃を浴びせられた時、初めて俺はそのざわめきが落ち着きを取り戻すのを感じたんだ。俺は思った、あのざわめきはもしかしたら喜びのざわめきではなかったか・・・虚圏へ来た俺の力は帰郷のように喜びざわめき、“同胞”の手荒い歓迎によって我を取り戻したのではないか」


ガンテンバインはそれを黙って聞いている。


チャド「この力を手にしてからずっと、俺は疑問に思っていた。俺の力は死神ともクインシーのそれとも違う・・・ならば俺は何者だ?その解がやっと見つかった。俺の力というやつはどうやら死神よりもクインシーよりも“虚”に近いものらしい」


この言葉を聞くと、ガンテンバインは驚愕する。


チャド「これが俺の右腕の真の姿・・・そして、真の力だ」


ガンテン「!!」


ドォン


チャドは話終わると同時にガンテンバインに攻撃を仕掛けた。まともに直撃したガンテンバインは顔から血を流していたが、すぐに響転でチャドに反撃する。
しかし


ドン


ガンテン「!!!」


チャド「鈍くなったか?」


バン


力を手に入れたことで反応速度が上がったチャドに攻撃を防がれ、逆に弾き飛ばされる。


ガンテン「ちっ!!!」


ガンテンバインは体制を立て直し再び攻撃しようとするが


ガンテン「!!!」


ドォン!


チャドの追撃によってまたもや吹き飛ばされてしまう。


ガンテン「(野郎・・・なんてパワーだ・・・おまけに響転に対応できる程、反応が昇がってやがる)!!!」


ガンテンバインが考えていると背後に回り込んだチャドが更なる追撃をかける。


ガンテン「(防ぎ・・・きれねェッ!!!)」


ドーン!


そして、遂にチャドの攻撃の波がガンテンバインを飲み込んだ。


ガンテン「・・・真の姿・・・真の力か・・・確かに言うだけのこたァ有る・・・」


煙の中からガンテンバイン声が聞こえてくる。


ガンテン「・・・だが、忘れてんじゃねえだろうな?こっちにだって“真の姿”ってやつはあるんだぜ」


チャド「!!!」


煙が晴れるとそこには帰刃したガンテンバインの姿があり、それを見たチャドは驚きの表情をする。


ガンテン「なァ!“ドラグラ”」


ガンテンバインはそう言うと、額の仮面を目に取り付け、そして龍のような両腕を重ねだす。
すると、霊力が重ねた先に収束されていく。


ガンテン「“ディオス・ルエゴ・ノス・ペルドーネ”」


ガンテンバインが技名を言うと、強力な砲撃がチャドに向かって放たれた。


ドォァァッ!ドドドドド

ガンテン「!?」


確かにチャドにその砲撃は命中したが、煙の中から見てわかる通り、チャドは立っていた。


チャド「・・・済まないガンテンバイン。俺はお前に、一つ伝え損ねていたみたいだ・・・この腕は確かに俺の右腕の真の姿・・・そしてこの右腕には確かにアブウエロの魂が宿っている・・・」


どんどん煙が晴れてくる。


チャド「俺がアブウエロに教わったのは、“守るため”の力の遣い方・・・そう、俺は解っていなかっただけで力を手にしたその時から、この右腕に宿っていたのは“防御の力”だったんだ」


ガンテン「!!!」


そう、チャドは砲撃を右腕の盾で防御していたのだ。
そして、チャドは話を続ける。


チャド「・・・そして今回の修業で俺はようやく自分の中の“攻撃の力”を見つけることができた」


チャドがそこまで言うと煙が完全に晴れる。


チャド「それがこれだ!名を“ディアブロ”・・・・“ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ”」


すると、チャドの左腕にも新たなる力が備わっているのだった。


未来「そろそろこの戦いに決着がつくね・・・そして、第5の十刃が現れる・・・・」


一人、宮の遠くで呟く未来の言葉には、なにか決意のようなものが感じられるのであった。
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