BLEACH〜十四番隊の死神達〜
□恐るべき硬皮
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その頃
虚夜宮 井上織姫の部屋(監禁場所)
井上もチャドの霊圧が微弱になっていることと、未来が戦い始めていることを感じとっていた。
ウル「入るぞ」
井上が霊圧探査で皆の状況を感じとっていると、突如ウルキオラからのノックと声が聞こえた。
ガターン
井上から返答がないのがわかると、ウルキオラは扉を開き部屋に入ってくる。
井上「・・・・」
井上はウルキオラを見るが、何も言わずに霊圧探査を続ける。
ウル「どうやら気付いたらしいな・・・ノイトラの馬鹿がはやったらしい・・・自宮で待てと命が下っていたものの・・・奴も一応十刃だ。戦いを始めたもう一人もいずれ死ぬだろう・・・」
井上「茶渡君は死んでないよ・・・それから未来ちゃんは絶対に勝つよ」
ウルキオラの絶望に感じられてしまう言葉を聞いた井上は、自分の言い聞かせるようにこう呟く。
ウル「・・・・・・・入れ」
それを聞き取ったウルキオラは、少しの無言の後に誰かを呼ぶ。
すると、一人の破面が料理を運んでくる。
ウル「・・・食事だ・・・」
ウルキオラは誰が見てもわかることを口にする。
井上「・・・いりません」
すると井上は、食事を拒否する。
ウル「藍染様のお声が掛かるまで、命を保つのもお前のつとめだ・・・食え・・・」
それを聞いたウルキオラは、僅かに殺気を込めた口調で井上に言う。
井上「はっ・・・くっ・・・」
ウル「俺が無理矢理捩込んでやろうか?それとも縛り付けて栄養注入だけにして欲しいのか?」
井上が殺気にやや怯んだのを感じ取ると、ウルキオラは更に追い詰める言葉を放ち、井上に食事を取らせようとする。
しかし
井上「茶渡君は死んでない・・・そして未来ちゃんは絶対に勝つ・・・」
井上はウルキオラにそのことの返答ではなく、また先程のことを答える。
ウル「・・・しつこいぞ、どちらでもいいそんなことは・・・何と言って欲しいんだ俺に?心配するな仲間はきっと生きている。そしてもう一人もきっとノイトラに勝てるとでも・・・・くだらん俺はお前をあやすために此処に居るわけじゃない」
井上「くっ・・・・」
ウルキオラの言葉に井上は少々怒りを覚える。
ウル「わからんな・・・何故そうまでして生き死ににこだわる?」
井上「えっ!?」
ウル「いずれにしろ、程なくお前の仲間は全滅する。それが一人早まったから何だと言うんだ。こうなることは最初から予測出来た筈だ」
井上「やめて」
ウルキオラから繰り出される冷徹な言葉に井上は一言そう言う。
ウル「・・・出来なかったとすれば、その責任は奴らの愚かさにある。馬鹿な連中だと笑えば済むことだ・・・何故それが出来ない?」
井上「!!!」
井上は怒りを抑えながら聞いている。
ウル「俺なら自分の実力も計れずに、この虚圏に乗り込んだ奴らの愚昧に怒るがな・・・」
井上「!!!っ」
バチン!
ついに我慢が出来なくなり、井上はウルキオラの頬にビンタをする。
井上「はぁ、はぁ、はぁ」
井上は精神的にかなりきつかったのか肩で息をしている。
すると、ウルキオラはいきなり踵を返して去っていこうとする。
ウル「・・・・一時間後・・・もう一度来る。・・・その時までに食っていなければ縛り付けて捩込んでやるからそのつもりでいろ・・・」
バターン
そして、最後に言葉を放つとウルキオラは部屋から去っていった。
井上「・・・・うっ、うっ、ううう・・・」
ウルキオラが去っていくと井上は溜め込んでいた涙を流すのだった。