BLEACH〜十四番隊の死神達〜
□封じられる力
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ザエル「・・・話を最後まで聞かないからだよ。この部屋では“君の卍解は”使えない」
恋次「!!!・・・俺の卍解は・・・だと!?」
恋次は卍解が使えなくなったことの動揺をザエルアポロに悟られないために気丈に言う。
ザエル「ふっ・・・ああ、そうだよ。声に出して確認するのはいいね・・・バカにしては上出来だ」
それを瞬時に見破ったザエルアポロは、恋次をバカにした口調でそう言う。
恋次「くっ・・・・」
それを聞いて、恋次は苦虫を潰したような顔をする。
ザエル「君の卍解の情報は、形状・能力・霊圧から霊子組成に至るまで全て完璧な状態で僕の元に入っている。その状態に応じて、この宮の中に君の卍解を封じる仕掛けを施しといたのさ」
恋次「・・・俺の卍解の完璧な状態だと・・・そんなもん、直にくらった奴にしかわかんねえー筈だ・・・一体どうやって・・・」
ザエルアポロの言葉を信じたくない恋次は、そう言う。
ザエル「兄貴だよ」
恋次「何!?」
ザエル「僕の名前記憶してるかい?・・・出来てないだろうね・・・仕方ない、もう一度だけ言うよ。僕の名前は“ザエルアポロ・グランツ”・・・“イールフォルト・グランツ”は僕の兄だ!」
恋次「なっ!あいつか!?」
ザエルアポロの話を聞いた恋次は、グリムジョーが初めて、現世に宣戦布告してきた時に戦った一体の破面のことを思い出す。
ザエル「おや?あんなカスを覚えていてくれたのか・・・それは感謝しなくちゃね」
恋次「その口ぶりじゃ、兄貴の敵討ちってわけでもなさそうだな」
あまりに実の兄をバカにした口調のザエルアポロに恋次はそう言う。
ザエル「はっ!バカの考えそうなことだ。そんな理由で君を狙ったとでも?・・・君の卍解の情報は奴(イールフォルト)の傷の治療の際に全身に寄生させておいた祿霊虫から得たものだ。僕にとって奴は霊虫を運ぶただの箱・・・箱を壊されて怒るほど僕は子供じゃないつもりだよ」
恋次「・・・カスだな・・・てめぇ・・・」
恋次はあまりの言葉に静かに怒り始める。
ザエル「ことごとく予想の出ない物言いだね・・・目眩がするよ・・・まあいい、どうせ君には勝つすべも逃げるすべもない」
ザエルアポロは刀を抜きはじめる。
ザエル「・・・暴れるなよ・・・卍解を使える個体を見るのは初めてでね、正直僕も興奮している。だから、暴れるなよ・・・出来るだけ完品に近い形状で死んでくれ」
恋次「ちっ!」
こうして、2人の戦いは幕を開けるのであった。