菊丸総受お題シリーズ

□『嫉妬』
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不二ver



「不二のバカっ!もう知らにゃいっ!」

珍しい菊丸の怒鳴り声が部室内に響き渡る。

(語尾が猫後になってるっス英二先輩っ)

(怒ってるんだろうケド迫力ないし、可愛いだけっスよね…)

(振り向きてぇなぁ…
振り向きてぇよ…)

おそらく頬を真ん丸に膨らませて怒っているだろう菊丸を是非とも見たいが、不二が怖くて振り返れない。

着替え中だった桃城と越前は、ロッカーの方を向いたまま互いに視線だけでそう会話した。

きっと二人が振り向かないのを知っていて、不二は満面の笑みでそれを独り占めにしているハズだ。

しかし折角二人がそうして回避しているにも関わらず、災難は向こうからやってきた。

「おチビに桃っ
早く着替えろよっ帰るぞっ!」

越前と桃城の首に腕を回して、二人の間から菊丸が顔を出す。

「マジっスかv」

「いーんスか?」

「にゃにがだよっ
俺が帰ろうって言ってんだからウソも悪いもあるワケないだろ?!」

残念ながら腕はすぐに解かれてしまったが、その答えに越前は満足そうに、桃城は不二を若干気にしながら笑った。




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