菊丸総受お題シリーズ

□『休み時間』
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大石ver



「英二、いるかい?」

チャイムが鳴ってしばらく経ってから聞こえてきた大好きな声に、不二のノートを写していた(今日提出の宿題だ)菊丸はパッと顔を上げた。

「おーいしっv」

猫耳がついていたならそれはピンと立っているだろう。

キョロキョロと周囲を素早く見回して、直ぐに出入口に立つ大石を見つけると、表情を輝かせて駆け寄る。

それに伴って不二の機嫌が急降下しているが、クラスメイトは慣れたもので自然と不二から距離をとった。

「どったの大石?」

大石がクラスに来てくれたのが嬉しいのか、キラキラと目を輝かせて見上げる菊丸に大石は苦笑する。

「や、次の俺のクラスの化学が移動教室だからさ」

「???」

「ほら」

言って差し出された辞書に菊丸は目を瞬かせた。

「英二のクラスは次英語だろ?」

大石の言葉に、生物の宿題を写すのに精一杯だった菊丸は“あっ”と声をあげる。

「辞書忘れたんじゃないかと思ってさ
移動のついでに持ってきたんだ」

朝練の時にたまたま聞こえてきた不二と菊丸の会話で、きっとこの時間は宿題を写すのに必死だろうと予想立ててみたのだが…

「スゴいよ大石っ
ありがとっ!」

まさかここまで的中するとは思わなかった。

まぁ乾でなくとも菊丸という人間をある程度知っていれば予想出来る事ではあるが…

「大石もしかして超能力とかあるんじゃナイ??」

本気でそう問いかける菊丸に、大石は苦笑するしかなかった。




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