菊丸総受お題シリーズ
□『居眠り』
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大石ver
休日の部活だって楽しいが、時には息抜きだってしたくなる。
まぁ菊丸はその頻度が高いので しょっちゅう手塚にバレては怒られたりする訳だが…
「は〜、ちかれたぁ〜」
手塚と大石が話し合いとやらで席をはずした隙にコートを抜け出した菊丸は、そう言って大きな木陰にゴロリと横になった。
さっきまで菊丸印のステップでコートの中を動き回っていた身体は、流石にバテバテで
最近少しは体力がついてきたとはいえ、息はまだ整わない。
短い息を繰り返しつつ空を見上げると、抜ける様な青空に目を細めた。
陽射しはキラキラ輝いて、遠くからは他の運動部の声も聞こえてくる。
当然、近くからは
「バァーニ〜ングっ!!」
「ドーーンっ!!」
なんていうキメ台詞も聞こえる訳だが、
そんな声に耳を傾けているうちに、菊丸はだんだんと夢の中へと誘(イザナ)われていった。
「お、やっぱりここか。」
打ち合わせを終えてコートに戻った大石は、そこに菊丸の姿がない事にすぐ気が付いた。
心当たりを探していると、木の陰からピョコリと覗く赤い髪。
「英二、そろそろ戻らないと手塚が…」
言いかけた大石は菊丸の顔を覗き込んで慌てて口をつぐんだ。
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