未来予想図

□君だけの(土日)
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「え?同窓会?」

「あぁ。中学のな。」

「………へぇー。」

「?なんだ?」

ネクタイを絞めながら、ちらりとこちらを見る梁太郎。

「…別に。」

私の頭に浮かぶのは、いつぞやに出会った梁太郎の元カノの顔。

「…心配しなくても、何もねぇよ。」

そんな私の気持ちを察したのか、梁太郎はポンと私の頭に右手を乗せる。

「…心配なんてしてない。」

「そうか。じゃ、いってくる。」

梁太郎の手が私の頭から離れる。

「っ…梁た」

ちゅっ。

「……………」

「なるべく早く帰ってくるから。」

「っ、ちょ…今っ!」

「もっとするか?」

悪戯な笑みを浮かべて私を見つめる梁太郎。

「〜っ…もうっ!」

「ははっ!」

そして、梁太郎は私の頭をクシャっと撫でて家を後にした。

「…ばか。」
















「土浦〜!」

駅に着くと、人目もはばからず中学の頃の友人が大きく手を振ってきた。

「お前なぁ…往来で騒ぐなよ。」

「久しぶりに会って第一声がそれ?!」

「あははっ!土浦君は早くもおじさんになったのよね?」

「大人って言え。」

「えー…じゃあ、俺たちは子供?」

「20代半ばにして全力で手を振ってくる奴は精神年齢がガキだとしか思えないな。」


「梁太郎、それはひどいんじゃない?」


クスクスと楽しそうに笑って現れたのは…

「あ!水枝〜!」

「崎本?!なんかお前、美人になったなぁ〜。」

崎本水枝。

俺の元カノだ。

「え〜?それって私、中学の頃は美人じゃなかったってことぉ?」

「そういう意味じゃないっての!」

「ふふっ。…久しぶり、梁太郎。」

「あぁ。」

「って言っても、みんなよりは久しぶりじゃないけどね?」

「えっ?どういうこと〜?」

「別に…高校の頃にたまたま会ったんだよ。」

「えっ、それでヨリ戻ったとか?」

「ないない〜。梁太郎ってば、その頃には新しい彼女つくってたもん。」

「あいつは彼女じゃなくて…」

「うわー、土浦ってば隅に置けないなぁ〜。」

「でしょ〜?」

「だからなぁ…あの頃はまだ…」

「あ!集合時間まであと15分もないよ?!ここから飲み屋さんまで何分かかるっけ?!」

「やっべ!さっさと行こーぜ!」













「ふひふは〜(土浦〜)のへほ〜(飲めよ〜)」

「お前は飲み過ぎだ。呂律回ってないぞ。」


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