私立星奏幼稚園

□私の好きな人(金日+天)
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「ん?…お前さんが“ハイ、みんなーお昼寝の時間ですよー!ちゃんとお布団出せるかなー?”って言ったあたり。」

(バッチリなみちゃんの質問の前からじゃないですか…。)

「結構前じゃないですか。」

「あぁ。かもな。」

「なんですか、“かもな”って。」


「かほせんせーー!また、けいちゃんがしょうこちゃんのおふとんで寝だしたぁー!」


「えぇ?!また?!」

いつも眠そうなけいちゃんは、お布団を出してる途中で寝てしまうことがある。

それは、床の上だったり、ひきかけの布団の上だったり、はたまた誰かの布団の上だったり。

「また…けいちゃんは〜…。金澤先生、失礼しますね。」

「あぁ。いってこい。」

「けいちゃ〜ん?」






「せんせー!」

「はいはーい。けいちゃーん?起きて〜?」


日野は園児たちの元へ駆けていった。

園児たちは桂一と日野を囲む。

俺はその様子を見ていた。日野が解決すると思ったからだ。

「けいちゃーん?けいちゃんのお布団はこれじゃないよー?このお布団はしょうこちゃんのだよー。けいちゃーん?」

「……ぐすっ…」

「わぁー!せんせ!しょうこちゃんが泣いちゃってるよー!」

「えぇ?!しょうこちゃーん?泣かなくていいからねー?」

「…ひっ…うっ」

「けいちゃーん!起きて!けいちゃーん!」

「しょうこちゃん!泣かないで!ほら!おれのおふとん、つかっていいよ!」

笙子は首を振っている。

和樹はそれにショックを受けたのか、目が潤んできた。

「?!かずくん、どうして泣いてるの?!」

桂一を起こすのに必死だった日野がそれに気づく。

「ひっ…しょうこちゃ…が…けいちゃん…」

「なっ、何?!どうしたの?!」

日野はかなり焦っている。

「ひっく…ずっ…」

笙子は和樹が泣きだしたことに子供ながらに罪悪感を感じたのだろう。
さっきよりも大粒の涙を流し始めた。

「しょうこちゃん?!」

「ごっ…ごめんなさっ…」

「どうして、しょうこちゃんが謝るの?しょうこちゃんは悪くないよ?」

日野は優しく微笑んで、笙子の頭を撫でる。

「〜〜ひっく…」

笙子の涙は少しずつ乾いていく。

が。

「うわーん!」

今度はまるで漫画のように和樹が大きく泣き始めた。

「かずくん?どうしたの?」

日野は笙子を右腕の中に優しく包みながら、和樹の頭を左手で撫でる。

 
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