私立星奏幼稚園
□お花畑(園児all+日野)
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「よしっ!これでオッケー!」
「お花…いっぱい…。」
「しょうこちゃん、かほ先生よんできてっ♪」
「え…」
「しょうこちゃんがいちばんにお花つんでたんだから!ね♪」
「…うん。」
「か…かほせんせ‥」
「あ!やっと見つけたぁ!なみちゃんたら、かくれんぼね♪って言って、どこか行っちゃうし、みんな見当たらないし…みんなでかくれんぼしてたんだね?」
「あ…あの…」
「ん?」
「みんなで…お花を…」
「?」
「…こっ…こっち…」
「どこ?みんなの所に行くの?」
「あ!せんせぇー!」
ちょっとしたお花畑からかずくんが大きく手を振っている。
私はしょうこちゃんに手を引かれ、みんなのもとへ。
「せんせー…」
けいちゃんがお花をかかえてる。
「お花摘んだの?キレイだねぇ♪」
「それ、せんせえにだよ。」
りょうくんがぶっきらぼうに告げる。
「え?先生に?」
「かほ先生のために、みんなでつんだの♪ね、れんくん!」
「あ…あぁ。」
なみちゃんに話を振られて、びっくりしながらも照れくさそうに答えるれんくん。
「…はい、せんせ。」
「あ…ありがとう、けいちゃん♪」
「せんせっ!おれもがんばったんだよ!」
けいちゃんの頭を撫でていると、かずくんが近づいてきた。
「ふふっ。そうだね、かずくんも頑張ってくれたんだよね。ありがとう、かずくん♪」
けいちゃんにしたようにかずくんの頭を撫でると、かずくんは照れたようにニコニコと微笑む。
「ひはらとしみずくんだけなんてズルイね?」
「え…」
あずまくんがにこりと笑う。
「そ…そうだね。」
私はそう言って、あずまくんから順番にみんなの頭を同じように撫でてあげた。
「はいっ、しょうこちゃんもありがとう♪」
最後にしょうこちゃんの頭を撫でる。
「せんせい…」
「はい?」
「…せんせい…うれしいですか‥?」
不安そうな顔で私の顔を覗くしょうこちゃん。
「すっごく嬉しいよ!ありがとう、しょうこちゃん♪」
「…よかった…。」
ふわりと笑ったしょうこちゃんは、まるで妖精のようでした。
あの日みんなに貰ったお花は今も、教室にある花瓶の中で綺麗に咲き誇っています。
end