妄想

□僕等は此処から始まった(L+Z)
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モーガンを倒し、コビーと別れ、島はとうに姿は見えなくなってしまった。
にも関わらず。
船に僅かばかりに積まれていたはずの食料は手品なんかよりも早くあっという間に麦藁を被った彼に吸い込まれるように消化されてしまった。

全く後先考えない行動に付いて来る相手を間違えたのではないかと頭を抱えたくなる気持ちを抑えては溜め息混じりに目の前の彼を見遣る。


「腹減ったぁー…」


「正に今、食ったばかりだろ。
しかも次の島までで食うはずだった全部な」


「そんな事言ったって減ったもんは減った!!」


何か間違っている気はするが、ここまで堂々とされてしまっては変に心地良ささえ覚えてしまいそうだ。


「とりあえず、次の島までないもんはねぇ。無駄なエネルギーは使わねぇように黙ってろよ」


そう言えば大きな欠伸を1つ、船縁に寄り掛かり寝息を立てるまでにはそう長い時間はかからなかった。



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