妄想

□暑いから(LxZ)#
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「……っは、…っ……」

「ゾロ、もっと…」

がり、と床に爪を立てる音が耳に届く。
その力の入った手に手を重ね、指を絡め取る。
2人の汗がいくつもの雫となって床を染めていった。
重なる肌は汗のベタつきとぬめりで心地好いとは程遠い。…かと思えば、触れ合った部分の熱を感じられる喜びの方が大きくルフィの口許は緩みっぱなしだ。

「も…やめ……っく」

ゾロの中を浮かす圧迫感は留まる事を知らないかのように求め続ける。

「まだ、イケるだろ…?ゾロ離してくんないし?」

ししし、といつもと変わらぬ無邪気な笑い声と共に達したばかりで暫し項垂れていたゾロ自身をやんわりと握れば背をびくりと跳ねさせると同時に未だ抜かれていなかったルフィのものを無意識のうちに締めてしまう。

「ぁうっ…!…駄目だ…暑ぃ…」

「暑いからいいんだろ。暑いから…もっと熱くなって、暑さを忘れるんだ」

ルフィは握った手を上下に動かしながらゾロの背を舐めた。
少し塩辛い。
じっとりと張り付くような暑さが身体をまとわりつく。
ゾロは暑いなんていうけれど、ゾロの中はもっと熱いのに、とルフィは思った。
拒否の言葉は受け入れられず、身体を揺すり始めれば与えられる快感に抗う事は出来ず、身を任せてしまう。

「…ゃ、…あ…ぁんっ!…ル、フィ…っ」

「うん、わかってる。やるならとことん気持ち良く…な?」

背筋にいくつもの口付けを落としながら優しく答える。

暑い夏は、始まったばかり。






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