通常小説
□好意は化ける
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こんな自分は知らなかった。
手に入れてから知ってしまった。
自分の―醜い本性を。
人の気配が途絶えた公園。その場所で沈み行く夕陽を背にグランは一人佇んでいた。
緩やかに揺れるブランコに腰をかけたその姿からは影が伸び、夕陽に照らされ彼の赤い髪が燃えるように輝いている。
しかし、グランの表情は硬い。
思いつめたようにうつむき地面を見つめている。
「守…俺は…」
小さな呟きがグランの唇から漏れて、消えた。
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