無題
□Afterschool
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キーンコーンカーンコーン…
授業終了のチャイムがなる。
それと同時に生徒は帰る用意をし、先生は職員室へむかう。
いつもと同じ
いつも通りの風景。
だが、ツナはこの日はいつもと違う感じがした。
少し鼻歌まじりにいそいそと用意をする。
その様子から何かいい事があるようにとれる。
「ツナ、もう終わったか?」
「うんっ!!」
ツナは辺りに花が咲くように、綱吉はふんわりと笑った。
それを見た生徒は思わず歓声をあげる。
だが双子は気付かない。
どこまでも自分達の世界なのだ。
「えへへっ!綱吉と放課後デート、初めてだね!」
そう。今日は初めてツナと綱吉が放課後に、デートをするのだ。
いつもは休日にするので、少し新鮮な気分。
それに今日は獄寺はダイナマイトの調達でイタリアに。
山本は部活で、居ない。
放課後デートにはもってこいの日だ。
「楽しみだな」
頬を赤くして笑う綱吉
ツナはきゅっ、と綱吉の手を握った。
「つ、ツナ?!」
「手、繋ご?…久しぶりだし!!」
にっこりと笑ったツナに綱吉は赤かった顔を更に赤くさせ、頷いた
* * * * * *
「綱吉!次はあそこ行こ!!」
子供のようにはしゃぐツナに綱吉は顔を綻ばせる。
「ツナ、あんまりはしゃぐと――」
ドンッ
ぶつかるぞ。と言い終わらないうちにツナが歩いていた人物にぶつかった。
「あぁ?誰だぁ?」
「すっすみません!!」
咄嗟に謝り、綱吉の手を引きすぎ去ろうとするツナ
だが、それは叶わずぶつかった男達に引き止められた
「よくみりゃ可愛いじゃん」
「君達、双子ー?すげえ似てる」
「お兄さん達と遊ぼうぜ」
ギャハハハと下品な笑いをする男達に、ツナと綱吉は眉を寄せる。
「こっちの強気そうな子、髪綺麗だねー」
バシッ
乾いた音。それは綱吉の髪に延びてきた男の手を、ツナが振り払った音だった
綱吉はその行動に驚いてツナを見る。
そこには、底冷えするような笑顔をしたツナがいた
「馴れ馴れしく綱吉の髪に触ろうとしないでよ」
「ツ、ツナ……!」
男達はツナの笑顔に後ずさり、逃げて行く
綱吉はそんなツナに少しだけ輝いた目を向ける
感動する場所がちがう気もするが、双子は気付かない
「綱吉!行こ?」
「あぁ 」
そのまま手を繋ぎ直し、歩きだす。
このとき
二人を見かけた山本
帰ってきた獄寺
見回りをしていた雲雀
二人に会いにきた骸
散歩をしていたリボーン
この五人が双子を巡って争うことを
まだ、誰も知らない
Afterschool
(ツナと綱吉は僕のだよ)
(何言ってるんですか?!僕のですよ!!)
(二人共俺のなのな)
(あの方々はお前等のじゃねぇ!)
(どいつもこいつも……アイツ等は俺のだ)
(綱吉は俺のだし、俺は綱吉のなんたけど……)
(一体どこから湧いて出た……)
END
あとがき
遅くなり申し訳ございませんでした!
放課後デートという設定は初めてでしたが、楽しくやらせてもらいました!
リクエストありがとうございます!
†