いただきもの
□無題
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※同人、二次創作が嫌いな方はお控えください。
「やあ波江さん」
「……どうしたの」
マンションの最上階。折原臨也はかすり傷のついた顔で微笑んでいた。
波江は感情のこもっていない声で心配するような社交辞令だけを述べ、机に向かった。
「ちょっと昨日、女の子に引っ掻かれてね」
「あら。あなたでも失敗するのね」
「うん」
女の子に、というフレーズにも反応なしか。臨也は溜息を吐く。
弟以外に興味がないのは結構だが、こうも無関心だと少し傷つく。
ましてや、普段はそれなりにモテる折原臨也だからこそ、だ。
「……っていうか、波江さん、さあ」
「なに」
こうも気付かないのは、何故だろうか。
それより何より、どうしてここまで手伝いの女に構いたくなってしまうのだろうか。
「ちょっとは俺のこと心配してくれてもいいんじゃない?」
「…………絆創膏ならそこの棚よ」
それを聞いたんじゃないって!と言いたくなったのをなんとか堪える。
数時間後、そこには頬に絆創膏を貼ってムスリとしている臨也がいた。