時間を越えて

□-ある日の再開-
1ページ/1ページ

「お前…生きてたのか…そうかそうか……久しぶりだな!?美佳?」


私は…夢を見ているのだろうか…

彼に会うのが嫌だった私はこの未南希市に逃げてきた。


それなのにこの街に彼がいた。


「どうした? 感動の再開だろ?」

感動?

どこが…最悪の再開だ…。


「変わらないなお前、年をとってないんじゃないか?」


「そうよ…私は貴方に殺されてから年をとっていないもの。」

「おかしな事を言うんだな。」



彼は「ははっ」と笑っていた。

冗談を言ってると思っているのだろう。


「貴方と話してる時間は無いわ…それじゃあね。」


私は彼に背を向けて歩き出した。


「まぁいいや、次に会ったら今度こそ死んでもらうからな。覚悟しとけよ。」


今日は最悪の一日ね…。
















「お兄ちゃん! 早く!」


「待て待て! いま行くから。」


オッス! オラ貴士。

今日は妹の由美と遊園地に遊びに行く約束をしていた。

まぁ二人っきりではなく、良助と咲さんもいるので四人だ。


「さて、行くか。」


遊園地の正門前に、良助と咲さんがいた。


「遅いぞ!」

「ごめんなさいっ! お兄ちゃんが遅くて…」


「由美ちゃんを責めてるんじゃないから大丈夫だよ?」

「俺だけかよ!?」


そんな事を言いながら、遊園地の中に入った。


入ってすぐ乗り物を休み無しで乗り回した。

遊園地の中のアトラクションを約二分の一は乗った所で、昼時になった。


「もう昼だな…どこかで食おうぜ!」


四人で、遊園地内のレストランの中に入った。














「また…あの子達なのね…」


遊園地内。レストランで食事を楽しんでいるあの達を見つめている私がいた。


「良助君と…貴士君。咲ちゃんに由美ちゃん…」

きっと私は悲しい目をしているだろう…


その瞬間、私の目の前を哲平が横切った。


「まさ…か…」

哲平は気づいてなかったみたいだが、まさかこんな所にいるなんて…


私の嫌な予感は必ず的中する…

そんな事はあってほしくはないけど、結局私の嫌な予感は的中してしまった…
















キャー!


遊園地は一気に恐怖に包まれた


それはほんの数分前に戻る…


昼を済ませた良助達は、まだ乗っていないアトラクションに向かっている最中の出来事…


サバイバルナイフを持った男が、いきなり暴れ出し無差別殺人を始めたのだ…

その男は…哲平だった…


「逃げろー!」

叫び声がこだまする。


「な、なに!? どうしたの!?」

咲ちゃんがビックリする。


「逃げるぞ! 咲!」

「由美、早く!」


良助は咲、貴士は由美の手を握って走る。


しかし、哲平は良助君達の目の前に立ちはだかった。


「へへ…」


サバイバルナイフを構え、良助君達に近づいて行く。


助けなきゃッ!


私はとっさに哲平と良助君達の間に割って入った。


「止めなさい! 哲平!」


「咲か…ちょうどいい…お前も殺してやるよ!」


「ミカ!? どうして!?」


「この男とは因縁があってね…彼奴は私が止める!」

「やれるもんならやってみな!」


哲平は、ミカに向かって走り、サバイバルナイフを振りかざした。


ミカは素早く交わす。


「ちッ、ちょこまかと!」

ミカは哲平の腹を蹴飛ばした。


「カハッ」


哲平は体制を崩したが、直ぐにサバイバルナイフで斬り掛かってきた。

一瞬の隙を付き、哲平の手元をカカト落としした。

哲平は、持っていたサバイバルナイフを落とした。


「これで終わり、諦めて。」


ミカは哲平に近づいた。

「誰が!」

哲平は、サバイバルナイフを広いミカに斬り掛かった。


不意だった為、避けられず股を斬られた。


「ぐぁッく!」

ミカはその場に倒れ込んだ。


哲平は良助達の元に走り出した。


そして…



ブシューー!!


咲と由美の首元を切り裂いた。

真紅の液体が噴水のように勢い良く噴射されていた。


「さ…さきぃ〜!」


「うわぁぁぁぁ!!」


良助と貴士は、その場に崩れ落ちた。


「フハハハハハ!! 快感だぁ…楽しいな!」


哲平は高らかに笑う。


「くッ!」

ミカは白銀の翼を背中から具現化させ、良助と貴士を連れて哲平から遠い場所に離れた。


























「だ…大丈夫?」


未だに震えている二人に声を掛けた。


「咲が…また咲が!」

「由美…由美ぃ〜…」


二人とも精神が参っていた。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ