長編小説

□新たな出会い
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「ははは…びっくり…あれで生きてるんだ僕…」

無理なワープは機体に思った以上の被害を起こした…

そのためかイフリートは安全装置が発生しなかったのだ…

ではなぜ安全装置もなくクラウが助かったのか…簡単に言えば着陸した場所だ…

そこは砂漠…

「砂がクッションになったのか…半分以上機体が砂に埋まってるけど…」

「ってぇ〜…」

レイナも頭をかきむしりながら立ち上がった…

「…ふ〜ん…お前悪運は毎回強いんだな…」

「まぁ…否定はしない…」

クラウは苦笑しながらいった。

「で…これからどうするんだ?」

「どうするもなにも…このまま中にいたってなにもやることはないし…外出てみるしかないんじゃないの?」

「…お前かなり開き直るの早くなったな…」

「そう?」

その時ガクンと船が大きくゆれた…

「なんだ?」

「いや…あれじゃないのか?」

レイナは珍しく顔がひきつっている…

「へ?」

クラウはレイナが指差す先…コクピットのフロントガラスの向こうだった…

「………」

なんだかよくわからないが大きな目がクラウをにらむ…

「な!なんなんだ!?」

「いってる場合か!とっとと逃げるぞ!!」

レイナはクラウの首根っこをつかみ脱出口から飛び出した…

だが…

「寒!!」

レイナは外の寒さに身を震わした…砂漠の夜は限りなく寒く昼間の日差しの強さが嘘に思えるくらいだ…

「何でそんな薄着なんだよ!?」

クラウは上着のジャケットをレイナにかけた。

「おぉ!気が利くなぁ〜!」

「いってる場合かぁ!!」

その瞬間砂の中から大きな蛇が飛び出してきたのだ…

「い!」

「ちぃ!」

レイナは腰にかけてあるフェイズガンに手をかけるが…

「ウォーターゲート!!」

いきなり砂漠に大きな水溜まりができたと思えば…そこを入り口に巨大な鮫が飛び出してきたのだ…

「「なぁ…!?」」

「早く逃げて!!」

水色の髪の少年が槍を片手に二人をかばった…

「あんたは?」

「とにかく今は逃げて!!ヘテルベルからは逃げないと!!」

「まぁ…逃げるのが当たりっぽいな…サイズ的に…」

「でも君が!」

「大丈夫です!」

少年の槍には何やら紋章が掘られている…

「すべてを飲み込む清き流水!アクアスパイラル!!」

いきなりヘテルベルの周りに大量の水か発生し…渦潮となってヘテルベルを飲み込む…

「すげぇ〜…」

レイナは素直に感動している…

ヘテルベルという巨大な蛇は、大きさからして二人が乗ってきた宇宙船を丸飲みできるんじゃないかというほどのものだ…

だが少年はそれを封じるほどの渦潮を操っている…

「今のうちに逃げましょう!僕じゃ長くは持ちません!」

少年の指示にしたがい二人はその場を去った…

しばらくしてアクアスパイラルの呪縛から解き放たれたヘテルベル…だが回りを見渡してももう人の影はなかった…





「ふぅ〜助かったよ…」

クラウは少年にお礼をいう。

「別に大したことじゃないですよ!夜の砂舟での移動で安全区域を外れるのはよくあることですし!そのために僕たちバーンベルク騎士団が見回りしてるんですし!」

少年は騎士団のようだ…そしてそれを誇りに思うよいにいった。

「にしてもすごいなぁ…船が砂の上走ってらぁ…」

「お二人も砂舟で移動してたんじゃないですか?」

「あぁ?私たちは砂舟なんかじゃなくて宇ち…」

だがレイナが言い切る前にクラウが口を封じた。
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