その他

□オレンジ色の告白
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「ロイ」

久しぶりに君の名前を呼んでみたのに、忙しいから後だって冷たく言い放たれてしまった。

「ねぇロイ…」

何度呼んでも返ってくる言葉は全く同じ、終いには煩いって怒られる始末。
酷いよロイ。さっきからそんな赤い印だらけのテスト用紙ばかり見つめちゃってさ…違うでしょ?ねぇこっち見て。僕よりその紙切れの方が好きだっていうわけ?

「ロイ…僕は君だけが好きなんだ」
「…忙しいから後でね」

一世一代の愛の告白ですら綺麗に流されてしまう。
ああ神様。僕の想いは何時になったら届くのでしょうか?何日後?何年後?或は一生届かない?無茶苦茶有り得る話だ。こんな状態が続く上に超ド級の天然記念物な君だからきっと、

「はぁ…」

がくりと肩を落としうなだれるようにソファーに倒れ込む。倒れ込むと同時に襲い掛かってきた眠気によって僕は呆気なく負かされた。

だからこの時。僕は気付かなかった、いや気付けなかったんだ。

「……ばか」


君の小さな呟きと真っ赤な耳の存在に。



END



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