ポケモン

□帰宅
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夜も深くなってきた頃。もう皆寝静まっている筈なのに、マサラタウンの入口付近には一つの人影があった。

「何してるのこんな時間に」

そう問い掛けるとその人影は一瞬びくついた後、ゆっくりとこちらを見上げた。
その瞬間よく見知った顔があらわとなる。

「レッド…」

こちらを見上げた際にはその表情は強張っていたが、こちらを何者であるかを認識したのと同時にそれは綻んだ。

「グリーン、」
「遅せーよ…ばか」

掠れた声で無理に笑うグリーンをそっと抱きしめると、苦しい程に抱きしめ返された。
子供をあやすようにそのくせっ毛にして柔らかな髪を撫でみると、擽ったそうに声を漏らしたが撫でる手を休めはしなかった。

「…ただいま」

周りの闇に溶け込んでしまいそうな程小さな声で呟く。
すると「おかえり」と、自分が言ったよりも遥かに小さい、蚊の鳴くよりも小さな声が返ってきたので、とりあえず力いっぱい抱きしめた。

END

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