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□シーズン α 07
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「おいヒゲ、6年ここ守ったらどうなんだよ?」
ようやく、ルフィが口を開く。
クローザーは、つまらなそうな顔をしながら答えた。
「顔も知らねぇってのに、親のもとにいかせてやるって言ったらコイツは、馬鹿みてぇにそれを守ろうとしてやがる。ただそれだけだ」
「…そうなのか?犬っころ」
「…………ん、そう」
少年が言うと、ルフィはすっと背を向けて歩き始めた。
「おいルフィ、どこ行くんだよ?」
ウソップが言うと、ルフィはあっさりと答えた。
「ん?この街から出るんだよ」
「え?アンタさっき、あの子を仲間にするって…」
「とーちゃんとかーちゃんに会いてぇんだろ?その機会をおれたちが潰しちゃいけねぇよ」
もっともな意見である。
全員、互いの顔を見合わせて頷いた。
「まぁ、そりゃそうだわな」
「そうよね…せっかく、会わしてくれるって言ったんだもんね」
「つーわけだからよ、ヒゲ!おれたち出航すっからよ!犬っころの約束守ってくれよ!」
ルフィがしししっと笑いながら言うと、クローザーはにやりと笑った。
「……ほう、なかなか物わかりが良い海賊どもだな」
「モンキー・D・ルフィ」
少年は、嬉しそうな、悲しそうな、複雑な表情になった。
「ルフィって呼べよ、犬っころ」
「………ルフィ」
少年の尻尾が揺れる。
一見、騒動が終わったかと思ったのだが、ロビンが急にそれを遮った。
「待って」
『?』
クローザーの前に立ち、ロビンはきっと彼を睨んだ。
「おいロビン、これ以上騒ぎは起こすなよ」
ゾロがたしなめるが、ロビンはお構いなしだった。
「あなた…親のもとに『いかせてやる』と言ったわね?」
「ああ、言った」
クローザーが、眉をひそめる。
明らかに、この質問をしてほしくはなさそうだ。
だがロビンは続ける。
「その親は…いま、どこにいるのかしら?」
『!?』