◇ヒアシンス

□Don't stare!!
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「弥久ちゃーんっ」

私立鳳凰学園保健室。

ふざけた声が、その保健医をムカつかせる。

「弥久ちゃん、俺マジ体調悪いンでぇ、ベッドで寝ても良いッスかぁ?」


男子生徒は、対して可愛くもないのに上目遣いで俺の顔を見る。


「…ほぉ?体調が悪いのか、なら俺が直々に看病してやろうか?」


ガタ


その保健医は椅子から立ち上がる。


「腹が痛いんだな?」

「わー、さっすが弥久ちゃん!…でも、多分コレ寝れば治るんでぇ…」


「遠慮はするなァ?腹痛じゃぁ、ゆっくり寝られないだろう?ほら、この薬を飲め。」


そう言って、一粒の錠剤と水を渡す保健医。


「…じ、じゃあ」


男子生徒は戸惑いながら、その錠剤を口にする。


「弥久ちゃーん、コレって……っ!!!!?」


喋りかけた男子生徒は、いきなり喋るのを止め、保健室を飛び出していった。






「はっ…!俺のテリトリーで、惰眠を貪るたぁ良い度胸じゃねぇか。」


その保健医、田原弥久。


少し長めの髪の毛を横に流しクールで美人顔のこの男。

赴任してきた時から、保健室の利用者は絶えないが、サボりはなかなか出来ないと生徒から泣かれる存在である。




「保健室なめんじゃねーっつーの!」


椅子に座り、んーっ、と伸びをしているとヒョイと何だか影がさした気がした。


(まさかっ…!)


恐る恐る目を開けると、


「よお、弥久先生。朝からバトルたぁ大変だなあ」


「瀬山っ!」



保健室登校者、瀬山和貴。無敵と謳われる田原の守備に対抗できる希有な存在である。



「お前っ!いつから!」

「さぁ?いつからでしょう」


ガタンッ



和貴は弥久の両手を掴んで、立ち上がらせギュッと抱き締める。


「っ!…の離せ!瀬山っ」


「弥久が当てられたらね。俺がいつからいたか。…因みに外したらお仕置きね」


「なぁっ…!」


さっきまでの余裕はどこへやら。


一気に真っ赤になる弥久。



「…お、れが喋って、るとき?」

「ハズレー」


「んっ!」


いきなり唇を奪われる。


「ふ、っあ…!ん、」


「弥久やーらしー」


一旦唇を離した和貴は、弥久の顔を見てニヤリと笑う。


「っ!ぉ…まえがっ!」


真っ赤になって、抗議する弥久。


「…へぇ?俺が悪いの?」


底意地の悪い笑みを浮かべて弥久の腕を引っ張りベッドへ押し倒す。


「うわっ…!」


「勝手に反応した弥久が悪いのに、俺のせいにするんだ。」

顔の両側に腕を押さえつけられ身動き出来ない。


「っ!そ、んなのっ!」


「まー、俺のせいでもあるのかなァ?…そーんなやらしい身体にしたのは、俺だもんねぇ?」


「っ―…!」



弥久は更に赤くなって、上から顔をのぞきこむ和貴から目を反らした。


「…なァ、弥久?」


ビクッ



(耳っ耳っ!!止めろ…!耳弱いんだよ馬鹿っ!)



和貴は、弥久の耳元で囁きながら、舐め始めた。


「ひっ…!ぁ、あ…」


どうにかして、声を出さまいと自分の白衣を噛む。


「このやらしい身体、誰かに触らした?」


「っむ…!んん」


小さく首を振る。


「ふーん。…ねぇ、このまま犯してあげようか?」


「っ?!」


信じられないといった風な顔をする弥久。



「しばらく触ってあげてないし、身体も寂しがってるんじゃない?」


(勝手なことをっ…!)


そう思いながら、和貴を睨み付ける。


「学習しろよ?弥久。」


ギシ



「俺にそんな態度とっていいのかよ?え?」


そう言いながら、和貴は弥久自身を膝で不規則に刺激する。


「ふっ…む…!っん」


白衣を噛みしめて声を殺していたものの、和貴にいきなりその白衣を奪われた。


「っ!返っ…んあぁっ…」


和貴は俺が口を開いた途端に、膝の動きを激しくした。



「弥久、コレ涎ベトベト。そんなに良かった?」


白衣を放り、更に弥久に覆い被さる。


「っ〜…!!」


でも、絶対声を出したくない(誰かに見られたくない)ため下唇を強く噛む。



「おい、いい加減素直になりやがれ意地っ張り。俺に弥久のイイ声聞かせろよ。」


そう言うと、いきなり和貴は弥久の口に指を入れた。


「ふ…ぁん、む」


口内を掻き回されどうしても、声が漏れる。


「指噛むなよ?噛んだらそこのカーテンも扉も全部開けて、弥久のやらしい姿皆に見せてやるよ」


「!ふぅっ…っ」


(ふざけんなっふざけんな)

目に涙を溜めて、首を振る弥久。

でも、和貴はそんなの意にも介していない様子で手を進める。



その間にも弥久は和貴に対面座位の体制にさせられた。



「こーすっと、弥久が何処が気持ち良いのかよくわかる。」

「ふっ…や」


勿論、まだ指は入れられっぱなしなので文句を言うことも反論することもできない。


「暴れんなよ?」


そう一言告げて、和貴の片手は服の中へ入っていく。


「んっ、ふ…ひ、ゃ」


ソフトタッチで指が動き回るので、思いきり払うことも喘ぐ事も叶わずにただ堪える。


「くく…弥久マジ良い顔」


目は涙で潤み、顔は赤らみ口からは涎が顎を伝っている。


「ふ、ぅっう!…」


(お前のっ…お前がっ…!馬鹿バカっ…!くそっ!)

ビクッ

「っ!」

「あ、感じた?」


和貴はいきなり弥久の乳首を摘まんだ。


「痛い?」


ぎゅうぎゅうと和貴は容赦なく摘まむ。


「ふぅっ…!うっ!ぅっ」


首を振り痛みをやり過ごそうとするが、それを許さないのが和貴である。


「っん…んぅ、はぁ、む」


さっきまで潰すように刺激していた乳首の今度はその周りを指先で優しくなぞる。


「弥久、目がトローンってなってる。弥久はこうやってやられるの好きだからね?」



(ちくしょーっ反論できね…男なのにっ)



「ほら、弥久の半勃ち」

「っ!」


足で自身を押される。


「あ、ちょっと反応してきた。」


不規則に刺激され声が上がりそうになるのを必死に我慢する。


「っ!ふ、はぁ」


そこでいきなり和貴が足はそのままに、爪で弥久の乳首を潰してきた。



「――……っ!!」


弥久は驚いて思わず和貴の指先を軽く噛んでしまった。


「あ…っ!」


しまったという風な顔をして顔面蒼白になる弥久。


それに比例するように和貴の顔は実に愉しそうに歪んでいった。


ズルッ、と指が引き抜かれた。


「せや…」

「やっちまったなぁ?弥久。」


その言葉で弥久は絶望の淵へ落とされた。


「瀬、山っごめ…」


弥久は真っ青な顔で和貴に謝るが、当然聞いてはもらえない。

ゆったりとした動作で和貴の膝から下ろされる。


「せ、やま…」


震える指で和貴のシャツを掴もうとするが上手く掴めない。


「約束だもんなァ?弥久」


和貴はニヤリと笑って、カーテンに手をかける。


開けようとした、その時





「っ!」


反対側の腕にいきなり抱きつかれた。


「…っめ」

「…?」



「だめ…開けちゃだめ」


ぼろぼろと涙を流した弥久がいた。


「…約束破るんだ?」

和貴が追い討ちをかけてやると


「…めなさい、ごめなさいっ、ごめんなさいっ、開けないでっ!お願いっ、他なら言うこと聞く…っ!」


本気で泣きながら謝ってきた。


「他なら言うこと聞くの?」


とりあえず、カーテンから手を離して弥久の頭を撫でてやる。


弥久はまだ怯えているのか震えながら和貴の腕にしがみついて離れない。



「聞くっ…聞くから、開けない、で」


じゃぁ、


そう言って、弥久を横抱きにする。


「啼け」


ズバッと二文字に乗せられた悪魔の、いや魔王様の囁きに弥久は成す術もないのでありました。







「ひっ―…!」

さっきから何度も何度も射精しているため、もう薄い水みたいになっているのだが、和貴の責めは終わらない。


「バカっせ、やまっ!はっ…も、出な、…ひぃっ!」


弥久自身を口に含み、尿道口を舌で押してやると、弥久の腰が跳ねる。


今度尿道責めでも、やってみようと頭の片隅で思い裏筋を指で押し潰しながら、先端を吸う。




「ひぁっ、ひぁぁあっ!」



もう弥久はここは学校だということも忘れているらしく、遠慮なく声を上げている。


だが、そんな矯声につられて保健室に馬鹿共が集まってきたのが音でわかる。



(弥久でヌいたらコロス!)


そう誓って限界に近い、弥久を抱き上げてこう耳元で囁いた。










「なぁ、弥久?今ここでお前が誰のものなのか、大きな声で言えたら終わりにしてあげるけど…どうする?」


「ふぇ?」


もう半分以上意識を失っていたらしく、荒い息で和貴を見る。



「ほら、弥久は誰のもの?」

「……せ、やま」


目を反らしながら小さな声で言う。


それでは意味がない。


「は?瀬山、誰?もっと大きな声で。」


「…瀬山和貴…ぃっ!?」


いきなり自身を握り締められ身を縮める弥久。


「あっ!っ…ひぃ」


「呼び捨てたぁ、どーゆーこった?えぇ?」


「ごめっならい!ごめっ…ゆうひてっ…!」


泣きながら腕にすがる弥久。


「ほら、早く言えよ」



「っひ…お、俺は、瀬山和貴様の、もので、す。」


言い切った瞬間和貴は弥久自身をイカせるために擦った。


「ひっ…!ぃっいああ」


「よくできました。」




そのまま、弥久は気を失った。











「ふぅ…。…おい、テメェら。」


和貴はきっとカーテンの向こう側にいるであろう生徒達に声をかけた。


「弥久でヌいたり、弥久触ったりしたら殺すかんな」

ドスの聞いた声で言ってやると外の空気が冷えた気がした。



「じゃ、俺は今から寝るから。」



おやすみ〜と言いベッドに寝転んだ。


悲鳴を上げながら保健室を出ていく男子生徒達。







「はっ…情けねー奴ら」


そう呟いて、和貴は横で眠る弥久を見た。

涙の後がある頬を撫で髪をすく。



「おやすみ、弥久。…愛してるよ」


そう告げてベッドで2人寄り添うように眠りについた。
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