†本編

□壊れない、離れない
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バッ


はぁっはぁっ


「っ……夢…??」


いつも通りの屯所で
机に突っ伏したまま
目が覚めた。
書類処理の途中で寝てしまったらしい。


「ッ…」

顔を洗ってやり直そうと思い、部屋を出ようとすると…


(なっ…??!!!!)

出入口の畳が真っ赤に染まっていた。


「おいっ…」

刀を手に一歩‥また
一歩と襖に近づく。


ガラッ

突然向こうから
襖が開けられた。


「ぃっ!!!」


「…土方さん??」


驚きで目を瞑った俺に
声の主が近づく。


「…そ‥ご??」

相変わらず飄々とした
態度で部屋に入ってきたのは沖田総悟。

「はい、どうしたんでさァ。そんなに怯えて??」


「そご…??そご??」

座り込んだ俺を呆れた
顔して抱き起こす。


「もう馴れたもんでしょ??俺の悪戯なんか。」



「い…たずら…??」


「これケチャップでさァ。」

ニヤリと沖田が笑う。


「〜〜ッッッ!!!!」

騙されたとわかり
真っ赤になって沖田を睨む土方。


「総悟ォォォォォォ!!!!!」


またいつもの様に刀を
振り回し部下を追いかける。


(いつも通り…あれはただの夢だ…)



「おぉトシ。今からお妙さんの所に一緒に……」

バコーンッ!!!


「知るかぁっ!!」

「ぐはぁっ!!!」

(この人もいつも通り…)



(大丈夫…大丈夫…)









「副長ッ!!!!大変ですっ!!万事屋の旦那がっ…!!」
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