†本編

□壊れない、離れない
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「はぁっ…はっ…」


今日朝方、銀時が病院に
運び込まれたらしい。


隊服のまま街を走りぬける。


(銀ッッ…!!)



今朝の夢が脳裏に焼き付いて離れない。


(やだっ…銀がっ)


真っ赤に染まる銀色の髪。

ピクリとも動かない身体。


ガコンッ


病院へ駆け込む。

「っ…!!」

(どこだっ…)


「土方さんっ?!」


「……万事屋ンとこの…!!」

そこには志村新八がいた。

「銀さんのお見舞いですか??」


「銀っ銀はっ??!」


なりふり構わず新八に
問い詰める。


「だっ…大丈夫ですよ??普通に寝てますし。」


「っ…良かっ…た。」


新八の言葉に安心したのか
土方は膝から崩れ落ちた。

「ひ、土方さん??大丈夫ですか???」


「わ…悪い……」


隊服で取り乱してしまった事が恥ずかしくて立とうとしたが膝に力が入らない。

「あれ…??ぁ…」

身体中がガクガク震えているのに気がついた。


(早く…早く銀のとこに…)


気持ちばかりが急いで
身体がついていかない。


「……十四郎…??」


後ろから声がかかった。

それは今最も聞きたかった声で…
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