少女
□今日もお互い偽って
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そして話は冒頭へと戻り。
「瑠菜は何処へ行こうとしていたんだ?」
絳攸が腕に数冊の書物を
抱えているのを瞬時に視認すれば、
『私は今から府庫へ。
お饅頭を作ったので、邵可様に
差し入れを…と思いまして。』
にこりと微笑みながら
手に持っていた包みを見せて言う。
もちろん、その後に『絳攸様も宜しければ
如何ですか?』と尋ねるのも忘れずに。
「そうか…では俺も行こう。丁度邵可様に
お借りした書物もあるからな。」
それを聞いた絳攸は、どこか
ホッとした様子を見せながら頷いた。
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