少女
□今日もお互い偽って
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彼こと李絳攸は、
“朝廷随一の才人”であると共に
方向音痴としても有名だった。
瑠菜が初めて彼にあったのも、
府庫に向かおうと後宮を出た所で
同じく府庫を目指し迷っている姿を見た時。
前もって彼の人となりを
邵可や秀麗から聞いていた為に
彼の矜持を傷付ける事なく案内出来た、
というのも記憶に新しい。
それからというもの、
偶然を装い何度も彼と出くわし
目的地付近まで案内をするのが
最早彼女の日課となっているのだった。
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