倉庫詰め込み

□甘楽
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『バニラシェイクください〜』



ジューとシェイクを飲みながら歩いている女性・・・。
彼女の名前は折原甘楽。苗字の通りこの池袋で関わってはいけない存在である折原臨也の兄妹である。

と言っても、異性同士の双子の兄妹である所為かあまり仲は良くない。
何せ臨也と同じ高校を(親が行事で休む際に楽な様)選んだのだが、いつの間にか願書がすり替えられており、全く別の高校になっていた。

高校を替えられたのには然程気にはしていないのだが、此処まで自分は嫌われているものかと寂しく思ったものだ。・・・それも最初だけで寮生活もあり5年以上会っていないし、甘楽自身幼い頃よりは随分変わったこともある・・・なによりお互い成人しているのだからもう会うこともないだろう。連絡先も教えていない、というより携帯が壊れてしまい復旧不可になったからだ。
臨也の交友関係なんて知らないので最早諦めている。


そんな彼女はこの池袋にやってきた訳は、趣味が職になったという。・・・パティシエだ。洋菓子和菓子なんでもござれな彼女は人口の多い池袋を選んだ。
そこで気になる名前を聞いた。言わずもがな“折原臨也”の名前。



『まぁ、嫌われてるのに態々会う必要もないですよねぇ。それに情報屋をしているようなので・・・』


私が今日来てることももしかしたら知ってるかもですねぇ。
ジューっとシェイクを飲みながら歩いていれば前から如何にもチンピラです。と言わんばかりの風貌。
その男の一人が此方に視線を向ければ、下卑た笑みを浮かべる。
嫌な予感を感じすっと横に避けるも、その男は同じように動きわざとぶつかってきた。




ニヤニヤとお決まりの言葉を言い、肩に手を乗せてきたりと無駄にボディタッチをしてくる。
ここで素直にされるがままであれば相手はさらに調子に乗ってくるだろうし、ここで手を叩くなり罵声を浴びせれば逆上して何をしてくるかわからない・・・。



「何とか言ったらどうだ嬢ちゃん!!」
『わっ!?』


急に肩を思い切り押され、尻餅を付くその時に持っていたシェイクは残念なことにぶちまけられてしまった・・・甘楽自身に。



『・・・(なんかこの人達息荒くなってるんですけど。何コレ気持ち悪い・・・ん?今度は急に顔を青くさせて)』



伊逹メガネを外し付いたシェイクを吹いていれば急に男達の表情も雰囲気も変わった。
嬉々していたものが急に恐怖・怯えに変わる。然し、自分に対してではなく後ろに対してで、甘楽もクルリと向き直れば、背の高い金髪のバーテン服の男が立っていた。

服には甘楽が零した際のシェイク・・・。
甘楽がぼんやりしている隙にその人物は思うがままにチンピラを叩きのめしていた。勿論そのままの意味で。




『おに〜さん!!』
「あ゛ぁっ!?・・・って、ワリィ。」
『い〜え!!助けてもらって有難うございますっていうのと服汚しちゃってごめんなさい』
「お前の所為じゃねぇだ・・・臨也?」
『ん?もしかして臨也君の知り合いですかぁ?私甘楽って言いますー!!臨也君とは双子の妹なんですよ〜。』



もしかして仲悪いんですかぁ?と言えば、静雄の額にぴきりと青筋が見えた。
それだけでこの人はあぁ、多大なる被害者なんだろうな、と安易に分かってしまった。



『じゃあ、甘楽ちゃんがおにいさんに今日のお礼と、日頃の臨也君のお詫びとして奢りたいと思います!!甘いもの平気ですかぁ?』
「は?あ、あぁ・・・平気だけどよ。別に気にしなくても・・・」
『駄目ですよ!!・・・じゃあ、実験体になってください!!甘楽ちゃんのお店の甘味の実験体に!!』
「実験?・・・試食ってことか?」
『yes!!さぁ、行きましょうお兄さ「静雄」へ?』
「俺の名前。お兄さんってお前あのノミ・・・臨也と双子なら同い年だろうし。俺の名前平和島静雄って言うんだ。」



照れくさそうに言う静雄にキュンッとしつつ甘楽は笑顔で答えた。



『分かりましたぁ。では静雄さんで!!じゃあ、早速レッツゴ「ちょっと待て」おぉ!?』


甘楽の首根っこをつかみ動きを止める。
うん?と静雄を見上げれば、ゴソゴソとポケットを漁り、ハンカチを取り出したと思うと甘楽の顔や髪、服に付いたシェイクを拭いてくれた。



「うっし、こんなもんだろ。」
『キャー静雄さん紳士ですぅ!!惚れちゃいます〜』
「なっ!?何言ってんだ!!」
『むぅ、結構本気なのに・・・まぁ、そんなことより今日はケーキにプリン祭りですぅ!!』
「プ、プリン・・・。」



キラキラした眼差しになる静雄に、さてはプリンが好きだな。と甘楽は感じ取り、いろんなプリンを店に置こうと決意した。


それから静雄は甘楽の店の常連客になったのは言うまでもない。
甘楽も静雄の家によく遊びに行くようになり池袋でよく一緒に行動するようになる・・・。






〜END〜


初恋

『静雄さ〜ん!!プリン持って「甘楽、お前家に誰も来てねぇよな?」え?新聞とかの人以外は来てませんよぉ?』
「そうか・・・(あのメールなんだったんだ?・・・メール・・・あっ。)」
『静雄さん?な、何か怒ってません?』
「殺す殺す殺す殺す殺す!!あっんのノミ蟲野郎!!」
『ふぇ?ノミ蟲?』

_________
To 平和島静雄様
Sub 折原甘楽について

これ以上彼女に関わらないように。
彼女にこれ以上関わるといのなら・・・彼女には池袋から消えてもらいます。























なんてね☆シズちゃんのことだから最後の方まで絶対読んでないでしょ?最初の文章で慌てて甘楽に会いに行って生存確認するんだろうなぁ。本当、甘楽にも困るよ、変な虫が付かないように態々女子校行かせたのにシズちゃんと関わっちゃったら意味ないでしょ?
あぁ、でもシズちゃん関連で甘楽怪我させたら無理にでも俺の家に住まわすから。
それと連絡先とか交換したら本気で殺しに行くから。
__________
アトガキ

名前変換のない小説でございます。
あった方が言い様でしたら変換可能に変えますが・・・。


因みに臨也さんは実はシスコンでした。父親的な感覚でうざいとか言われたらどうしよう、でツンケンしてたら勘違いされる。という負の連鎖。
しかも連絡取ろうにも連絡出来ない(携帯が壊れた際番号から何から変えてしまった)のでモヤモヤしてたら、掲示板でシズちゃんと仲良くしてる子がいる〜。的なスレで妹が来たことに気付きさらにモヤモヤ。
可愛い可愛い妹ラブな臨也氏に、異性としてちょっと気になる存在になりつつある静雄氏。


因みに臨也さんは妹ちゃんに対しては情報屋として探りも売りもしていません。
後補足として連絡先に拘っているのは、携帯が壊れた甘楽ちゃんは臨也さんの連絡先も無くなってしまっています。なので臨也さんには全くその旨も連絡できていません。
臨也さんは何らかの形で甘楽ちゃんにメールなり電話なり送りました。が、使われていないとの音声が聞こえます。・・・もしかしなくても嫌われている?な臨也氏でした。
更に言えば、自分と仲の悪いシズちゃんと関われば自分のやっていることが知られてしまうのでこれ以上嫌われたくない一心なのです。





折原甘楽(妹)設定
臨也と双子の妹。
臨也そっくりだが、女の子っぽくした感じ。
普段は伊逹メガネをかけていて、髪も長いので気づかれない。メガネを取るとあっ!?となる。

料理上手で主に菓子類が得意。
間延びした喋り方。然し怒れば臨也的喋り方。武器としてダーツの矢を常備している。
的を狙うものは得意(銃、弓道等)

一般人な子。唯一の折原家の常識人。
最近はシズちゃんが気になるお年頃なのだが、『背も高いし、紳士的だし、優しいし・・・カッコイイからきっと付き合っている人とかきっといるんしょうねぇ』で告白はするつもりもない。
池袋でケーキ屋を経営中。女子にも男子にも人気。
主に甘楽に会いに来るのが目当てだったりもする。
 

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