Hit夢

□サングラス
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上を見上げると真っ青な空が広がる。


私は今、公園のベンチに座って彼氏の星野を待っているところ



今日は久しぶりのデート。


アイドルの星野はおおっぴらに外を歩けないけど、


今日は外に行きたい気分なんだってさ





「…それにしても、遅くない?」



隣には大きなサングラスかけてる変な人が座っちゃってるし……





……ん?


サングラスの人、どっかで見たような…




「あ!!……星野?」



私が隣の人に問い掛けると、彼はサングラスを外した。



「気付くのおっせーよ!」

「だって明らかに変な人だったもん!」

「そんなに変かぁ?」



腹を抱えて笑っている私の頭をコツンと叩き、星野は立ち上がる。




「さ、行こうぜ」



そう言って星野は再びサングラスをかけた。



「ちょっと!サングラスかけるの?!」

「あぁ、そうしないと俺だってばれちまうだろ?」

「そうだけどさぁ…」



正直、大きなサングラスをかけてる人と一緒に歩きたくない……



「サングラスないほうが素敵なんだけどな…」



小さい声で呟いたのだが、星野にはしっかり聞こえたらしく、



「そ、そうか?わかった!ほら、これでいいんだろ?」



サングラスを外した。




…途端




「ねぇ、あれってスリーライツの星野じゃない?!」

「そうよ!あの黒髪!星野ー!!」




公園にいた女の子達が星野に気付いて駆け寄ってきた。




「こうなると思ったんだよ!逃げるぞ!」




星野は私の手をがっちり掴んで走り出した。





こんな日もいいかもね。

絶対この手を離さないでね、星野。


 

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