ナカムロンリーハーツリハビリークラブバンドとは…





 君がまだ子供だった頃(もしかしたそれは2日前の夕食を思い出す事くらいねじれたくぼみに引っかかっている過去かもしれない)、 某リハビリ施設から脱走した俺たち5人。

 俺たち5人は、昼間はとある企業(その分野に於いての非常に効率的なシステムを産み出したことで、一目置かれている)でシステム整備工として働き(拾ったパスポートを上手に使わせてもらったよ)、身を潜めながらも最低限の文化的生活を過ごしていた。

 あるとても込み入った仕事(ある意味では犬たちよりもハードであったならばいい)に一通りのカタをつけることができた夜――、 そう 夜だったってことも大事だ、
 俺たちは気付いちまった
 逃亡者でいるはずの毎日を、いつからかごく普通に過ごし始めた自分に。
 

そして俺たちは考えた  俺たちが脱走してまでも従いたくなかったもの、 俺たちに求められていたリハビリ

ようやく、たった一つだけその夜に思い出せたことは、
 
「俺たちはロックンロールバンドだ」

時は来た。それだけだ。

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