LONG
□ラブラブパラダイス
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ああ、素晴らしい。
信じるって素晴らしい。
信じれば実現するのか。
だって、
「………(会えた)」
私の首もとにクナイを当てている、この愛しい人に。
自室のベッドで寝ていたはずの私は今、路上で寝ております。
もっと言うと、愛し人イタチの足下で。
実写版でも素敵!!
でも少し子供すぎる…?
「………赤ん坊か」
あれ?どこに行くの?
「ふぎゃ、あぎゃあ」
イタチさん?
あれ、うまく舌が動かない…………。
ま さ か !!
転生トリップですか!?
目の前の愛しいイタチはやはり少年(十歳くらい)だし…。
「……ちっ」
え?待って。置いて行かないで!!
赤ちゃんよ!!人気ない路上に捨てられてるのよ!!
…今は真冬よ!!ブランケット一枚よ!!
「ああ!ぎゃああ!!」
叫んでみたが、一瞥して瞬身で行ってしまった。
お 先 真 っ 暗 !!
ああ、どうしよう!!
動けないし、人いないし、寒いし、ホントにどうしよう!!
「あぁぁああ!!ふぎゃああぁぁあ!!」
叫ぶしかない!!
遠くに火影の顔岩が見えるし、ここはきっと木ノ葉。
仮にも忍の里でしょ!!音には敏感なはず。
「あぁぁぁんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ふみゃぁぁあぁあぁ!!」
誰か来て!!
「やぁぁぁぁああぁあぁ!!」
寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い。
せっかくトリップしたのに…。
のたれ死ぬのか……。
チクショウ。良いもんね。雑草食って生き延びるもんね。
ホントは嫌だけど。
「まむぅぅぅぅ!!」
助けてください。
「お、いた」
あら、誰か来た!!ん…?白髪?覆面?
「泣いてた赤ちゃんってキミだよネ」
カカシ!!カカシだ!!
私を優しく抱いてくれているカカシさん!!貴方は素晴らしい忍です!!
「…可哀想にネ。捨てられちゃったのか」
そうだけど違います。転生トリップです。
「まあ、置いとくわけにもいかないしね。とりあえず帰ろうかね」
是非ともお持ち帰りしてください。
ああ逞しい腕に抱かれている。
「もえ」
「ん、どうしたの?」
お気になさらず。
とりあえず、命は助かりました。
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