Short Novel
□再会
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『また、いつか・・・』
想いを告げると、想い人は
姿を消した。
アイツがヒトではないことは
もちろん知っていた。
それでも、気付けば惹かれていた。
あの日から5年がたち、
俺は21歳になっていた。
アイツが消えてから、俺は
アイツ達の存在を調べた。
そして知った。
精霊界の掟を。
俺と同じく妖精に恋を
したという女はその掟を
インターネットに書き込み、
愛した妖精を失った女は後を追い
死んだそうだ。
書き込みはすべて馬鹿にしたような
事ばかりが書き込まれていた。
でも俺は、俺だけはわかっていた。
死んだ女はイカレてなんかなかった。
俺はアイツが消えてから毎日
桜の木のもとに行った。
そうすれば
アイツはふらりと現れるんじゃないかと。